出川哲朗も困惑? 航続130kmのシンEVバイク「CE04」がBMWから今春デビュー!

既存車ベースではなく、EV向けに新設計された車体

 既に生産終了したCエボリューションとの大きな違いは「車体」と「充電時間」だ。Cエボリューションの車体は、ビッグスクーターのC650がベースで、アルミダイキャスト製の耐水バッテリーケースに電子制御システムを収めたモノコックフレーム的な構造。94Ahの大容量バッテリーを積み、車体のほとんどがバッテリーだった。

Cエボリューションは、既存の車体がベース。アルミ製バッテリーケーズの前後にフレームを連結する構造だった
Cエボリューションは、既存の車体がベース。アルミ製バッテリーケーズの前後にフレームを連結する構造だった

 一方のCE04は、一般的なバイクと同様の鋼管ダブルクレードルフレームを新設計。内側にバッテリーと液冷式モーターを搭載する。バッテリーが小さいこともあるが、車量はCエボリューションの275kgに対し、231kgと44kgものダイエットに成功。EVバイク向けに最適化されたフレームと軽量な車体で、走りはより軽快だろう。

 ちなみにCエボリューションは48ps&7.3kg-mと高出力ながら、0→50km加速ではCE04の方が0.2秒速い。

 モーターは、EVバイクに多いホイールインではなく、スイングアームの手前に搭載。1速ギヤボックスをモーターハウジング内に統合し、ベルトドライブで後輪を駆動させる。モーターとバッテリーは他社製を積むのが一般的ながら、BMWでは四輪で培ったEV技術を用いた自家製だ。

 EVバイク向けに設計された車体のおかげで、シート下にメットインスペースを確保するのもメリット。通常のEVバイクは、スクータータイプでもバッテリーのために収納スペースがほぼないが、CE04ではこの点でも実用的だ。

フロントはインナーチューブφ35mmの正立Fフォーク。カバー内部に4ピストンキャリパーとφ265mmディスクをダブルで備え、足まわりは充実
フロントはインナーチューブφ35mmの正立Fフォーク。カバー内部に4ピストンキャリパーとφ265mmディスクをダブルで備え、足まわりは充実
車体側に液冷式モーターを搭載し、リヤに片持ちスイングアームを採用。前後15インチのラジアルタイヤを履く
車体側に液冷式モーターを搭載し、リヤに片持ちスイングアームを採用。前後15インチのラジアルタイヤを履く
シートを跳ね上げるのではなく、サイドのカバーを開けると収納スペースが出現。容量は不明だが、ジェットヘルメットを収納できるようだ
シートを跳ね上げるのではなく、サイドのカバーを開けると収納スペースが出現。容量は不明だが、ジェットヘルメットを収納できるようだ

フル充電まで最短4時間から1時間20分にまで短縮!

 そして最大のポイントが充電時間の短縮だ。

 充電には、付属するMode2充電器、EV200V普通充電器、BMW純正Wallboxまたは一般市販されているEV 200V用の設置型普通充電器(Mode3)を利用できる。

 一般的な家庭用100V電源では充電不可だが、家庭にも導入しやすい単相200V16A以下の電源で充電できる。バッテリー0%の状態から80%まで約3時間で充電可能。mode3の普通充電なら100%充電まで約4時間だ。

 Cエボリューションは、Mode3で最大12Aまでの対応だったが、EC-04では32Aまで対応可能に。最短でもCエボリューションが80%充電まで3時間かかるのに対し、CE04では約1時間で済む。さらに100%充電まではCエボリューションが4時間、CE04は約1時間20分と劇的に短縮された。

 なお高速道路のサービスエリアなどにあるCHAdeMOは使用できないため、通勤や買い物などのタウンユースが主な用途となる。

ハンドル右下から充電。バッテリーは非着脱式だ。バッテリー保証書は新車から最初の4万km、または初年度登録から5年間有効
ハンドル右下から充電。バッテリーは非着脱式だ。バッテリー保証書は新車から最初の4万km、または初年度登録から5年間有効

 さらに電子制御などの装備が充実しているのがCE04の特徴だ。コーナリング中のブレーキも最適にコントロールする「ABSプロ」のほか、車体のバンク角などを検知してスリップを抑制するDTC(ダイナミックトラクションコントロール)を採用。4種類のライディングモードも備え、航続距離を稼げるECOモード、パワフルなDynamicモードが選択可能だ。

メーターはノートPC並みに巨大な10.25インチフルカラー液晶。スマホと連動でき、USB-Cソケットも備える。本国ではナビをメーターに映せるが、日本では非対応の模様
メーターはノートPC並みに巨大な10.25インチフルカラー液晶。スマホと連動でき、USB-Cソケットも備える。本国ではナビをメーターに映せるが、日本では非対応の模様

 なお、EVらしく回生充電システムと、駐車時などに役立つリバース機構も備える。

 加えて、ベンチのような薄型シートにはヒーターを完備し、グリップヒーター、アダプティブヘッドライト、ETC2.0車載器なども標準装備する。

 価格は161万円で、400ccクラスのガソリン車と比べると非常に高額。Cエボリューションと同様、今のところ助成金はない模様だが、補助があればかなり買いやすくなるので、ぜひお願いしたい。

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