欧州でヤマハが電動バイクに関する新戦略「Switch ON」を発表。125ccと50cc相当の電動スクーターを披露した。
ヤマハ初の125cc電スクーターは国内でも実験を重ねて2~3年後に市販化する見通し。50cc版は4月にも現地で発売され、いずれ日本でも発売か? 電動バイクの最新事情をお伝えしよう。
文/沼尾宏明、写真/YAMAHA、DUCATI
【画像ギャラリー】バルーンタイヤを履いたeバイクは、電動版TW!?(12枚)画像ギャラリー6台もの新作を披露、ヤマハの青とクリーンな緑を融合したロゴが目印
ヤマハは電動モデルに意欲的なメーカーだ。1991年の東京モーターショーでいち早くコンセプト車の電動スクーター「フロッグ」を発表し、その2年後に電動アシスト自転車のPASを発売。2002年11月にはPASの技術を活かし、大手メーカー初の一般向け電動バイク「パッソル」をリリースしている。
EC-02などの派生モデルを展開した後、2015年には「E-ビーノ」がデビュー。現在、国内一般ユーザーが購入できる、有力バイクメーカー唯一の電動バイクで、出川哲朗氏が出演するバラエティ番組で一躍有名になった。
そんなヤマハが3月3日、欧州で電動化戦略「Switch ON」を打ち出した。国内メーカーではホンダとカワサキも電動化の計画を発表しているが、より現実的でスピーディな戦略となっている。
発表された動画には計6台の電動モデルが登場した。電動スクーターはエンジンで50cc相当の「NEOS」、125cc相当の「E01」を公開。さらに3台の電動アシスト自転車、コンセプト車のeバイク(50cc相当)もお披露目となった。
Switch ONのロゴや、車名エンブレムは青緑で統一されるが、これはヤマハのイメージカラーであるレースブルーと植物の緑を組み合わせたもので、クリーンエネルーを現すシンボル。「アクア」と呼ばれ、今後多くの製品に採用されるという。
ヤマハ初の125cc電動バイクは実証実験を経て2~3年後に市販化へ
まず注目したいのは、ヤマハ初の125cc電動スクーター「E01」。既に国内でも2021年末、報道向けに公開されたが、より完成品に近いバージョンとなる。
詳細は発表されなかったが、国内で披露された際に艤装でよくわからなかったディティールが判明。YZF-R1を思わせる2眼ヘッドライトなどスポーティなデザインが特徴だ。バッテリーは車体底面、モーターはスイングアーム手前に搭載される。
2022年春からパリ、ミラノ、ローマなど欧州の大都市で、政府機関や地方自治体を対象にリースし、実証実験を開始。2~3年データを収集し、市販モデルを発表するという。日本でも同様の実験を行う計画があり、実車を目にする機会があるかもしれない。
国内にもE-ビーノに代わる50cc電スクが登場か?
50cc相当の「NEOS」は、「スマート」「高品質」「アクセスしやすい」の3つがキーワードという。着脱式バッテリーを備え、一流ブランドのヤマハらしい品質を実現。幅広い都会人の要求にフィットするデザインを持つ。
ヤマハによると、欧州の電動スクーター市場は過去2年でほぼ2倍に拡大。目の肥えたユーザーにも選ばれる自信をうかがわせる。
詳細は3月3日から数週間以内にも発表。その後、今春に欧州で発売開始される。現行のE-ビーノより航続距離などが改善されていると予想され、国内登場にも期待したい。
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