bZ4Xとソルテラ、どちらがいい音なのか?
結論から先に言うと「どちらも素晴らしい」。ただこれではオチが無いのできちんと説明すると、それぞれの音作りの方向性が異なる。
JBLがパワフル系だとしたら、ハーマンカードンはピュア系。ズシンとくる低音は少なめだが、全域に亘ってバランスが良い。言い換えると長い時間聴いていても聴き疲れがしない。
冒頭に述べたようにハーマン社が用意してくれた音源(ジャズ、ポップス、クラシックなど約30楽曲)を聴き比べて感じたのは、JBLがキレの良さやエネルギー感を押し出すのに対し、ハーマンカードンはそれぞれの楽器やボーカルの輪郭を余ること無く聴かせてくれる点だ。
あくまでも個人的な感想にはなるが、ジャズやライブ、ロックなどはJBLの方が好ましい。目の前でアーティストのパワーを感じるJBLのエネルギッシュサウンドは気分が上がる。一方、クラシックや女性ボーカルの「音の艶」などの再生力、そして楽曲を選ばないオールマイティな音作りではハーマンカードンの方が良いと感じた。また後席での楽曲の聴きやすさ、音の拡がりや奥行き感の点でもハーマンカードンの方が60歳を超えた筆者の耳には心地良い。
この部分は好みの部分ではあるので、もし今後ディーラーにデモカーが配備され、音楽を聴ける状況が発生したならばできるだけ高音質の音源(スマホやUSBなど)を持って視聴するのがいいだろう。ちなみに両車ともCDドライブは非搭載なので間違ってCDを持っていかないように注意してほしい。
BEVが車載ピュアオーディオ復権の起爆剤になる
ハーマン社の調査によれば「音楽はドライブの一部としてどの位重要なのか?」という質問に対し、約7割が必要と答えている。これ自体も好みの問題ではあるが、いずれにせよ、BEVという静粛性の高さは音楽を愉しむためのパーソナルな空間としても好ましいことは間違いない。また昨今、スマホを含めたライフスタイルシーンでもTMS(完全ワイヤレスイヤフォン)を使い、高音質のハイレゾ音源を楽しむ人も増えている。
今後BEVに対しては従来以上にエンターテインメント空間としての期待もかかっている。ピュアオーディオだけでなく、立体音響の再生なども試験的に行われているが、bZ4Xとソルテラのシステムが起爆剤になってより車内でピュアな音楽が楽しめる環境は増えていくことだろう。
【画像ギャラリー】トヨタbZ4Xとスバルソルテラそれぞれに搭載されているオーディオを画像で紹介(5枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方