JBLとハーマンカードンとは
今回、bZ4Xには「JBL」、ソルテラには「ハーマンカードン」のサウンドシステムが搭載されている。正確に言うとbZ4Xは基本「Zグレードのみ」しか設定が無いので、当然標準装備となる。
一方、ソルテラの「ハーマンカードン」は上位グレードとなる「ET-HS」のみに標準装備。FF/AWDの「ET-SS」はオプションでも選ぶことはできない。
JBL/ハーマンカードンとも車載はもちろん、家庭用(スピーカーやヘッドフォンなどのコンシューマ事業)や業務用(レコーディングスタジオなどのモニタースピーカーなど)の領域でも長い歴史を持つのでブランドの認知度は高いはずだ。
JBLもハーマンカードンも元は別々の企業だったが、現在は米国のハーマン・インターナショナル・インダストリーズの傘下にあり、おのおのが独立したブランドとして世界中で販売されている。日本法人はハーマンインターナショナルで、ちなみにレクサス車に搭載されていることが多い「マークレビンソン」も同ブランドのひとつである。
bZ4Xに搭載される「JBLプレミアムサウンドシステム」だが、その前にJBLブランドとトヨタとの関係は1996年からすでに25年と歴史が長い。
同社の説明によれば当時「伝説となっているコンサートやロックツアーのサウンドを車の中で実現する」という壮大なミッションを掲げてチームを編成したそうだ。
その後、車種に応じて専用のスピーカーの製造や最適配置などのチューンナップを行い、技術を磨き上げてきた経緯がある。
車載だけではないが、昨今のパワーアンプはデジタル化されており、車内の空間特性に合わせたチューニングはアナログアンプ時代に比べより精密に行えるようになっていることは多くの人が知っているはずだ。
デジタル革命によりカーオーディオの世界もすっかり様変わりした。ライフスタイルに合わせたサブスクリプションサービスなどの展開により、音楽を愉しむスタイルも多様化しているが、それでもいい音を聞きたいのは普遍的な欲求と言えるものだ。
今回のJBLのシステムは同ブランドが掲げる「LOUD&CLEAR」に基づくもので、小音量から大音量まで迫力があり、目の前での演奏を想起させるステージ感などを音作りの特徴としている。
基本システムは9スピーカー+専用アンプだが、特徴的なのが、Aピラーに組み込まれた2.5cmのホーンツィーターだ。JBLのロゴがデザインされた部分は独特の形状になっていることがわかる。
これはいわゆる音響レンズと呼ばれる物で、音を拡散させる効果により拡がりのあるステージ感を実現するのに役立っているそうだ。
またラゲージルームに設置されたサブウーファーは22.4cmのサイズで、これを専用エンクロージャー(ケース)に組み込み設置している。
一方、ソルテラに搭載されるハーマンカードンはbZ4Xとは根本的に異なるシステムとなっている。
bZ4Xが9スピーカーだったのに対し、ソルテラは11スピーカーの構成、bZ4Xのようにフロントに音響レンズは設置しない代わりにリアドアにコアキシャルタイプのスピーカーを搭載する。
コアキシャルとはひとつのユニットの中に複数のユニットを搭載する構造で、日本語で言えば「同軸」の意味だ。
bZ4Xがこの位置に15cmのフルレンジタイプを搭載し、全域をカバーするのに対し、ソルテラは2つのスピーカーを同軸配置、さらに音響レンズを搭載し指向性を持たせることでさらに拡がりのある音を実現している。
また昨今の出回っている圧縮音源により元の音から失われたデータをリアルタイムに解析し補正する「Clari-Fi」や省エネや環境性能を重視した「GreenEdge」アンプテクノロジーも採用している。
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