■「セダンだけFR」をやってくる可能性、やらない可能性
ここまで書いておいてなんだが、「フロントフェンダーアーチからフロントドアの間が長い」ということが、FR車の証明になるわけではない。最近のBMWは(FRなのに)このサイズが短いモデルも用意されている。あくまでデザインの問題であり、駆動方式とボディの制約とまでは言いがたい。
また、開発コストや車両本体価格、生産や整備コストなどを考えると、同じシリーズ車は同じプラットフォーム、同じ駆動方式で作製したほうが有利な面が多々あるだろう。新型クラウンはかなり戦略的な価格(従来型と比べて性能は大幅にアップしたが価格上昇はかなり抑えめ)だから、「シリーズ4車種のうち1車種だけ別プラットフォーム」というような高コスト体制をとれるのだろうか。
そのいっぽうで、トヨタのことだから「セダンは従来のクラウンファンの要望にお応えするためにFR仕様で出します」と言ってきそうな気もする。そもそも上述したBMWのたとえば2シリーズは、FFとFRが混在している(クーペとカブリオレはFRだがアクティブツアラー、グランツアラー、グランクーペはFFベース)。できないことはないし、やりそうなメーカーでもある。
そういえばトヨタはかつて、「マークIIはFRだけどマークIIクオリス(ワゴン)はFF」というなかなか珍しいモデル戦略をやっていた歴史もある(1997~2001年)。
新型クラウン「セダン」の発売は、公式サイトの「Coming in 2023」という表記を信じるならあと1年半以内。個人的にはぜひFR仕様で登場してほしい。それで、現在「クラウンのクロスオーバー化にがっかりした」と言っているこれまでのクラウンファンに、「待ってました!」と喝采を浴びてほしい。
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