【02】VSフリード 室内空間&レイアウト対決
1列目のシートは両車とも大差はないが、2列目は異なる。
フリードは床と座面の間隔が足りない。膝が少し持ち上がって腰は落ち込む。その代わりフリードの2列目には、ベンチタイプに加えて、キャプテンシートと呼ばれるセパレートタイプも用意される。
セパレートタイプでは、中央が通路になって車内の移動もしやすい。3列目の乗員が2列目のスライドドアから乗り降りできる。シエンタはベンチシートのみだ。
3列目も異なる。身長170cmの大人が多人数で乗車した時、2列目の膝先空間を握りコブシ1つ分に調節すると、3列目の膝先空間は、シエンタでは握りコブシ半分に留まる。
フリードなら握りコブシ2つ分を確保できる。つまり足元空間はフリードが広いが、床と座面の間隔は、シエンタが約40mm上まわる。フリードは床と座面の間隔が足りず、膝が持ち上がりやすい。
3列目の広さならフリード、着座姿勢ではシエンタが勝る。3列目の居住性は一長一短だ。
スライドドア部分の乗降性はシエンタが優れている。スライドドアの開口部は、シエンタは高さが1200mmで開口幅は670mmだ。
フリードは1165mm・665mmだから若干狭い。路面から開口部の下端までの高さも、シエンタは330mmと低く、フリードは390mmだから少し高い。
荷室の床と路面の間隔は、3列シート仕様同士で比べると、シエンタは505mm、フリードは480mmと低い。自転車を積む時も、フリードなら前輪を大きく持ち上げる必要はない。
3列目の格納は、シエンタでは2列目の下に収めるから、格納されたシートが荷室に張り出さない。その代わり3列目を格納する時、2列目を持ち上げる必要がある。
その点でフリードの3列目は、左右に跳ね上げる方式だ。格納された3列目が荷室に張り出すが、格納操作は単純になる。収納設備は、フリードにも引き出し式インパネセンターテーブルなどが採用され、使い勝手を高めた。
●室内空間&レイアウト採点
・シエンタ…車内の広さ5/ユーティリティ3/3列目の居住性2
・フリード…車内の広さ5/ユーティリティ4/3列目の居住性2
【03】VSフリード 燃費性能&先進安全装備
シエンタのWLTCモード燃費を3列シートを備えたZ(2WD)で見ると、ガソリンエンジンが18.3km/L、ハイブリッドは28.2km/Lだ。先代型のハイブリッドは22.8km/Lだったから、先代型から新型に乗り替えると、燃料代を約20%節約できる。
一方、フリードGのWLTCモード燃費は、ガソリンエンジンが17km/L、ハイブリッドは20.9km/Lだ。特に後者はシエンタとの差が大きい。シエンタは設計の新しさもあって燃費性能が優秀だ。
安全装備も進化の著しい技術で、設計の新しいシエンタが有利になる。
後方の並走車両を検知して知らせるブラインドスポットモニター、徐行時に衝突被害軽減ブレーキを作動させる前後両方向のパーキングサポートブレーキ、走行状態に応じて駆動力/ブレーキ/ステアリングを支援するプロアクティブドライビングアシストなどを採用。
シエンタの安全装備は先進的だ。
●燃費性能&先進安全装備採点
シエンタ…燃費性能5/安全性能5/コスパ4
フリード…燃費性能3/安全性能3/コスパ4
●トヨタ シエンタ(Zハイブリッド 7人乗り)主要諸元
・全長×全幅×全高:4260×1695×1695mm
・ホイールベース:2750mm
・エンジン:1490cc、直3DOHC
・最高出力:91ps/5500rpm
・最大トルク:12.2kgm/3800~4800rpm
・モーター最高出力:80ps
・モーター最大トルク:14.4kgm
・WLTCモード燃費:28.2km/L
・価格:291万円
●ホンダ フリード主要諸元(ハイブリッドG 7人乗り)
・全長×全幅×全高:4265×1695×1710mm
・ホイールベース:2740mm
・エンジン:1496cc、直4DOHC
・最高出力:110ps/6000rpm
・最大トルク:13.7kgm/5000rpm
・モーター最高出力:29.5ps
・モーター最大トルク:16.3kgm
・WLTCモード燃費:20.9km/L
・価格:265万5400円
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