■サーキットでわかった3車の特性の違い
続いて袖ケ浦サーキット。ここではGRカローラとGRカローラのモリゾウエディション、GRヤリスの乗り比べというプログラムだった。GRカローラで走り出すと「楽しい~っ!」。
マニュアルミッションの高性能車ってクルマ好きの脳天を直撃する!
しかも突拍子もない大パワーだとフルに性能を使い切れずフラストレーションが溜まるが、1470kgのボディに300psくらいだとちょうど使い切れる感じ。
試乗会だということをすっかり忘れてしまい、ホンキで走る! 前述のとおりGRヤリスより約200kg重いため絶対的な動力性能は届かないが、グラベルと同じくコントロールは容易!
ピリピリすることなく振り回せるのだった。
荷重をちょうどよい感じで前輪に掛けながらブレーキングしてハンドルを切ると、素敵な感じでテールを流しつつターンイン。アクセルを開けると、4輪スライドしながら「ひゃっほ~」と立ち上がる!
続いてモリゾウエディション。
ボディ後半を中心に車体剛性をさらに高めているためか、リアの安定性が格段に上がっている。そんなことからコーナーでは前輪が負け気味(アンダー傾向になる)。
セットアップしたスーパーGTドライバーの石浦宏明選手によれば「富士スピードウェイに合わせたので速度の低いサーキットだとアンダー傾向ですね。
でもウイングを付けるとバランスがよくなります。あっウイングですか? もうしばらくお待ちを」。
ウイングに代表される空力パーツ、冒頭で紹介したSEMAショーのGRカローラ・ラリーコンセプトほどの大きさでなくても効果抜群らしい。そういった楽しみ方も面白いと思う。
最後に乗ったGRヤリスは、やっぱり速かった!
袖ケ浦サーキットで1周2秒くらい違うと思う。グラベルで乗った時と同じく敏感。丁寧に乗ればしっかりと走る。でも荷重移動をさせ過ぎたり、挙動のコントロールを少し失敗すると手強い。
詳しく知らないのだけれど、いわゆる「*シャア専用ザク」といったイメージか。上手な人が乗りこなせば強い!
でもアベレージドライバーだとGRカローラのほうが性能を使い切れると思う。
さて。GRカローラは限定販売となり、しかも抽選とのこと。欲しいと思ったらすぐディーラーに行くことを薦めておく。
●トヨタGRカローラ(RZ)主要諸元
・全長:4410mm
・全幅:1850mm
・全高:1480mm
・ホイールベース:2640mm
・車重:1470kg
・エンジン:直3、DOHC ICターボ
・排気量:1618cc
・最高出力:304ps/6500rpm
・最大トルク:37.7kgm/3000~5550rpm
・サスペンション:ストラット/ダブルウィッシュボーン
・乗車定員:5人
・タイヤサイズ:235/40R18
【番外コラム】モリゾウエディションとRZは何が違う?
モリゾウエディションは完全に「エボモデル」。トルクがRZに比べて約8%アップしたことに加え、デフのローギアード化と1~3速のクロスレシオ化によって、加速フィールはRZよりも一段といい! ターマックもグラベルもダイレクト感あふれるハンドリングが楽しめ、しかも乗り心地がいい。
乗れば思わず笑顔がこぼれること間違いなし。2人乗りとなるが、むしろ「嫁にも子どもにもわかってもらえなくていい」と割り切れるかもしれない。
一方のRZは5人乗りに加え、荷室も一般的なものなので、家族に犠牲を強いることなくスポーティな走りを存分に味わえる。
●「モリゾウエディション」のRZからの変更点
・軽量化:2名乗車とし30kgの軽量化
・最大トルクアップ:RZに比べ30Nm(3.1kgm)の向上
・剛性アップ:ボディに構造用接着剤と補強ブレースを追加
・ローギアード化:1~3速をクロスギアレシオ化
・ダンパー変更:モノチューブ(フロントは倒立式)とし減衰特性向上
・タイヤ変更:235→245とし、ミシュランパイロットスポーツカップ2採用
・シート変更:専用のセミバケットシートを採用
・インテリア:鋳物ブラック塗装とし、ステアリングなどに専用表皮を採用
・ボディカラー:専用色としてマットスティールを設定
コメント
コメントの使い方