北米でついにオープンになった新型キックス。これまではどうもアジア発の車種ということで、クルマとしてのまとまりはよかったものの、ややチープな感じに敬遠するユーザーが多かった。しかし新型はどうよ、現段階ですでにかっこいいじゃないですか!!! さっさと日本国内に展開するべき理由とは?
文:ベストカーWeb編集部/写真:NISSAN
■そもそも日産はコンパクトカーが強かったじゃん!!
日産の国内市場に元気がない。花形となるGT-Rやフェアレディはあるものの普通には買えないし、気を吐いているのはノートとサクラくらい。いわゆる普段使いできる車種がパッとしないのが寂しいところ。
かつての日産はマーチ、キューブ、ノート、サニーなどコンパクトクラスのクルマはお手のものだった。それが今やコンパクトクラスは「ノート一本足打法」。e-POWER、オーラ、ニスモなどで魅力的なモデル展開ではあるが、やはりかつての日産コンパクトカーの栄光からすれば少しションボリな雰囲気は拭えない。
そんな現状を憂う日産ファンに救世主とも思えるニュースが入ってきた。北米でジュークに新型が現れたのだ。内外装についてはすでにお届けしているが、このデザインは非常に洗練されていて素直にカッコいい。現行型もクルマとしてのまとまりはよいもののすでに古さは隠せなかったし、コンパクトカーはこれくらいでいいでしょというデザインだった。
新型はノートシリーズの質感の高さを引き継ぎつつ、かなり新鮮なデザインテイストになっている。これだけでも新型キックスの注目度はグーンと上がるはずだし、走行性能を考えれば日産ユーザー以外にも響くだろう。
■ライバル「ヤリスクロス」に敵うのか?
となると気になるのがライバルのヤリスクロスとの競合。厳密にいえばヤリスクロスはキックスよりも車格自体はひとつ下になるが、それでも近似のコンパクトSUVとしては市場では同じカテゴライズをされるだろう。
ということで編集部では新型キックスを日本市場に投入すればそこそこいい勝負になるとみているぞ。まず新型キックスのボディサイズは全長4366(+76)/全幅1800(+40)/全高1630(+25)mmとなっている(カッコ内は旧型比)。
日本仕様については外装の変更などで全幅1800mmの壁を下回ってくる可能性もあるが、大まかなサイズ構成としては充分にコンパクトSUVとして通用するものだろう。ライバルのヤリスクロスが全長4180/全幅1765/全高1590mmというサイズを考えてもサイズ面で苦戦する要素はない。
北米仕様は2Lの内燃機関のみだが、日本導入であれば現行型と同様にe-POWERの搭載は確実。さらにプロパイロットは北米でも搭載されるし、この点においてもヤリスクロスに引けを取るシーンはない。
■「強気」な価格設定さえなければがっぷり四つ
もちろんキックスはハード面ではヤリスクロスと真正面から戦えるコンパクトSUVだ。しかし問題は価格設定。これは現行型ですら非常に微妙なところ。キックスにはガソリンモデルがないのでe-POWERとヤリスクロスのハイブリッドで比較しよう。
キックスはベースグレードになる「X」が299万8600円。一方のヤリスクロスの「X」は229万5000円。70万円ほどの価格差になる。ヤリスクロスのトップグレード「Z」は280万9000円でまだキックスよりも安い。さらに走りを煮詰めたGRスポーツは295万4000円だから価格においてはキックスに勝ち目がない。
「そもそも車格が違うよ」というメーカーの立場もわかるのだが、消費者からすれば「同じくらいsのサイズのSUV」で括られてしまう。ちなみに車格が近いフリードとの比較でもちょっと厳しい価格帯だ。
価格を下げるには新型はアメリカの直4ガソリン車も据えつつ、伝家の宝刀e-POWERで勝負を仕掛けるのが正攻法だろう。日産はハードはいいのだが、いかんせん売り方が微妙になってしまうことが多く、ぜひともお得感溢れる価格帯でデビューさせてほしい!!
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