■「期待外れ」COTY……マツダ MAZDA3
(選出者・TEXT:国沢光宏)
●いい部分も悪い部分もなし。期待が膨らんだだけに!
やはり……、マツダ3でしょう。人を紹介する時、ハードルを高く設定したらどうか? もの凄い美人/美男子で、しかも、仕事もバリバリできると聞けば大いに期待してしまう。
マツダ3もそう。海外で行われた事前試乗のレポートを読むと諸手を挙げての絶賛大会! 私の記憶じゃこんなホメられた新型車はありませんぜ。世界ナンバー1のCセグメント車だと期待しましたね。
ところが、でございます。自分でハンドル握って「あらあら」。もちろん昨今の日本車だからして、悪いブブンなどなし。でもいいブブンもありません(デザインは人によって好みが違う)。
むしろリアサスにBセグと同じ簡素なトーションビームを使ったためなのか乗り心地の質感悪かったり、今や旧式となった6速ATと、特徴のないエンジンの組み合わせは、このクラスの平均値を下回る。
そのわりに先代モデルより20万円も高くなった。同じクラスのカローラはリアサスをWウィッシュボーンにアップグレードさせ、エンジンだって1500ccから1800ccに。自動ブレーキを大幅に強化し、コネクテッドまで付けて実質的に大幅値下げをしてきた。
マツダ3に続くガッカリはタントの自動ブレーキ性能。デイズ/eKやN-WGNに遠く及びません。
●次点:ダイハツ タント
■「マイナーチェンジモデル」COTY……三菱 デリカD:5
(選出者・TEXT:清水草一)
●新型車から主役の座を奪い取る迫力。中身も進化
2019年はマイナーチェンジ・モデルの当たり年でしたネ! すごいマイナーチェンジが行われて、オールニューの新型車が霞むことすらありましたから!
もう、おわかりですね。マイナーチェンジ大賞は、ダントツで三菱デリカD:5です!
まずはデザインが凄まじいインパクト。多くのクルマ好きが見た瞬間に凍りついたくらい凄かった! 具体的にはいまさら触れませんけど、こんな思い切ったデザインを出してくれただけで、三菱自動車に感謝状。
デリカD:5は中身も大幅に刷新されて、断然よくなっているんだよね。全体としては、マイチェン前とは別のクルマと言ってもいい!
オールニューの新型モデルをなかなか出せない三菱の苦しい台所事情で、これだけスッ飛んだマイチェンを敢行してくれたことに、クルマ好きとしてウルトラ敬意を表します!
そしてマイチェンCOTYの次点は、GT-Rですね。通常なら大賞を獲って当然というくらい、ものすごくいいクルマになっておりました。
見た目はともかく、足回りもエンジンも今までのGT-Rとは別次元に気持ちよくなっちゃってもー! スバラシイ!
●次点:日産 GT-R 2020モデル
■「SUVだけ」COTY……トヨタ RAV4
(選出者・TEXT:渡辺陽一郎)
●悪路にも強くてSUVの本質を突いている!
今はSUVの人気が高く、都会的な車種が続々と登場している。しかし本来のSUVは、悪路の走破が目的だった。ワイドなフェンダーや大径タイヤも、悪路を走破するために生まれた。
その意味で「デザインをそれっぽくすればSUV」みたいな最近の風潮は、本筋からハズレている。前輪駆動ベースのシティ派でも、SUVである以上は、悪路走破を視野に入れてほしい。
このニーズに合わせて、好調に売れているのがRAV4だ。最低地上高は190~200mmで、悪路のデコボコを乗り越えやすい。
グレードは4WDが中心で、アドベンチャーとG・Zパッケージには、後輪左右の駆動力を積極的に変化させる機能も採用した。外側の後輪に高い駆動力を与えると、旋回軌跡を拡大させにくく、舗装路と悪路を問わずカーブで曲がりやすい。
フロントグリルが大きな水平基調の外観は、古典的なSUVに準じた形状で野性味も強い。後席と荷室も広く、ボディの上側では実用的なSUVの本質を突いている。
次点はCX-30だ。RAV4とは対照的なシティ派で、設計の新しいプラットフォームにより走行安定性が優れている。操舵感も適度に機敏で、クルマとの一体感を味わいやすい。
最近は堅調に売れる新型車が少ないが、RAV4とCX-30は注目のSUVだ。
●次点:マツダ CX-30
コメント
コメントの使い方