■「走りで選ぶ」COTY…ジープ ラングラー
(選出者・TEXT:国沢光宏)
●普通のクルマとまったく違う乗り味だからこその楽しさ
意外かもしれないけれど、今年試乗したクルマで1番楽しかった対象車はJeepのラングラーでした~。
クルマの楽しみ方ってさまざま。皆さん走りで選ぶとなれば、スポーツカーやハイパワー車などイメージするかもしれない。されどクロスカントリー車だって楽しい。普通のクルマとまったく違う乗り味ですから。
とはいえクロスカントリー車、一般道で乗るとしゃっきりしなくてむしろマイナス評価。しかも、試乗したラングラーは泥道用の『マッドテレーン』という本格的な悪路用タイヤを履いていた。となれば一段としゃっきりしない。
なのに、楽しかった! さすがJeepで、マッドテレーンの扱い方をキッチリわかっているんだと思う。ボディサイズからすれば狭い運転席に座り、「こーっ!」というタイヤのウナり音を聞きながら、街中を走っていると楽しいっす!
次点は、雪道で乗ったRAV4を挙げておく。トルクベクタリング4WDを採用しているため、滑りやすい雪道もアクセルオンで気持ちよ~く曲がっていく。
ここにきて4WDといえば安定性ばかり求める傾向ながら、やはり「高いコントロール性を持っており攻めて曲がる4WD」は楽しい。
ちなみに「今年乗ったクルマで」という条件だと、日産GT-R NISMO 2020でしょうね。
●次点:トヨタ RAV4
■「がっかりデザインで選ぶ」COTY……トヨタ RAV4
(選出者・TEXT:清水草一)
●当たり障りのない売れ筋デザインに……とってもガッカリ
2019年のニューモデルには、ガッカリさせられたっつーデザインは実に少なかった(上の部門で、デザイン面でまれにみる豊作だった……と述べただけに)。いや、積極的に「こりゃダメだ」と感じたクルマは皆無だった!
逆にそのことに危機感を覚えます。なぜって、自動車デザインの管理体制が厳格になっているってことだから。はっきりした駄作が出ないのも息苦しいもんですな。
そんななか、私が一番イマイチだと思ったのはRAV4です。日本でも海外でもバカ売れ、大ヒット中ではあるけれど、デザイン的には見どころはまったくない!
決してそんなに悪いわけじゃないけど、新しい挑戦とか美しさとかいったものはなくて、当たり障りのない文法がテンコ盛りの売れ筋デザインということ。この適度なヌルさが受けてるんだろうな。
ガッカリの次点はメルセデスGLE。これまた、大上段から「ダメ!」というデザインじゃないんだけど、全体にどうにも鈍いというか、退屈といいますか。「もうけっこうです」って感じ。
これまたそんなに悪いわけじゃないんだけど、いいところって、「ベンツのSUVである」ことだけじゃ? これがベンツじゃなかったらどうなのよ!?
●次点:メルセデスGLE
■「国産中古車」COTY……スバル フォレスター(先代型)
(選出者・TEXT:萩原文博)
●この1年で20万円程度値下げなどでお得!
中古車購入の醍醐味といえば新車の時に手の届かなかった憧れのクルマを、お手頃な価格で手に入れられることだろう。
そこで、今回「国産中古車・オブ・ザ・イヤー」と題して、イヤーカーとその次点車を選んでみた。
選考基準はまず、この1年で平均価格が20万円以上値落ちし、お買い得になっていること。2番目は最安値の中古車が100万円以下であること。3番目は現行モデルにはない魅力があること。4番目は該当するモデルの流通台数が多いこと。そして最後、5番目は現在でも充分に高い実力の運転支援システムを搭載していることとした。
この厳しい5項目をみごとにクリアして国産中古車オブ・ザ・イヤーに輝くのは先代のスバルフォレスターだ。
先代フォレスターの中古車の価格帯は約56万~約330万円で、100万円以下の物件が約31台あり、総流通台数は約750台と豊富。
しかも先代フォレスターには現行型にはない2L直噴ターボを搭載したグレードも設定されていた。さらに運転支援システムもアイサイトを搭載。前期型が「ver.2」、後期型ならば信頼性アップの「ver.3」と文句なしだ。
次点としたのは、先代マツダCX-5。走行性能や安全性能実力の高さは折り紙付きだが、先代モデル特有の特徴がないので評価を下げた。
●次点:マツダ CX-5(先代型)
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