■MOTY(メーカー・オブ・ザ・イヤー)…トヨタ
(選出者・TEXT:国沢光宏)
●2019年、最も強い印象の自動車メーカーは「トヨタ」!
こらもうやっぱりトヨタに置いてほかはないでしょう! とにかくクルマ関係の話題といえばトヨタばっかりでしたから。
直近から遡れば、ローマ教皇のパパモービルにMIRAIが選ばれたこと。世界13億人ともいわれているクリスチャンにいいメッセージを出せたと思う。欧州の環境問題の盛り上がり、日本で考える以上です。
その前は天皇陛下の御即位パレード用のセンチュリー。開発を担当したチームに聞くと、単に屋根を外しただけじゃありませんでした。
センチュリーよりさらに入念仕上げの塗装を始め、シートベルトを付けるBピラーの内装材を見栄えだけを考え、作り替えるなど、けっこう凝っています。陛下のパレードに使われた初めての国産オープンカー、という栄誉も受けた。
モータースポーツでもWRCのマニファクチャラーズチャンピオンやダカールラリーの総合優勝などなど、輝かしい実績を残してます。
東京モーターショーの大幅入場者数増はトヨタと直接関係ないものの、やはり豊田章男自工会会長の手腕が大きかったと思う。おそらく先進国で行われるモーターショーの方向性を作った。ほかのメーカーも頑張ってほしいです。
■DPTY(出来事オブ・ザ・イヤー)…パジェロはじめ伝統ある主力車種が生産終了
(選出者・TEXT:渡辺陽一郎)
2019年は暗いニュースが多かった。特に痛ましい交通事故と、あおり運転の末に生じた暴力事件は、尊い生命と健康を左右する。ドライバーが注意を払い、車両の安全装備も進化させ、交通環境を改善する総合的な対策が必要だ。
商品に関しては、伝統ある主力車の終了が目立った。人気の高かったマークIIの後継となるマークX、上級ミニバンの魅力を示したエスティマ、SUVの先駆けとなったパジェロがすでに生産や国内販売を終えた。背の高いコンパクトカーの代表だったキューブやティアナも終わる予定だ。
ジュークやレガシィは、海外で新型を発売しながら、国内では旧型を売る。新型車では安全性も進化するから、旧型を売り続けるのは日本のユーザーを危険にさらすことになる。これもよくない。
RAV4は一度日本を見捨てて海外専用としながら、SUVが流行すると国内販売を再開した。昨年のCR-Vなども含めて身勝手だ。
マツダは長年親しまれたアクセラやデミオの車名を捨て、マツダ3とかマツダ2に変えた。スカイラインのエンブレムは現行型でインフィニティになり、改良で日産に戻した。
各メーカーとも、日本のユーザーに育てられたのに、今は失礼なことをしている。
■そのほか2019年の主な自動車界の出来事
2月 ホンダがイギリス工場を閉鎖
2月 トヨタが愛車の定額サービス『KINTO』を開始
3月 高速道路の最高速120㎞/hに引き上げ試行
3月 東京で4系列のトヨタ販売会社を統合
4月 トヨタがFCVに次いでHV技術を無償化
4月 池袋の大事故を含む高齢ドライバー問題
8月 常磐道の殴打事件をはじめとしたあおり運転問題
9月 日産の新経営体制&業績低迷問題
10月 消費税10%スタートで自動車関連税が変更&新車販売への影響
11月 新たな取り組みで東京モーターショーは130万人動員
12月 東京モーターショーでも開催。eスポーツが盛り上がる
●次点:マツダ車の車名変更やエンブレムの変更
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