これを売るのか!? 営業マンを悩ませた!! スパルタ教育係な[クセ強]トヨタ車3選!

これを売るのか!? 営業マンを悩ませた!! スパルタ教育係な[クセ強]トヨタ車3選!

 人にはそれぞれ個性があるように、クルマにも個性がある。愛されキャラや親分肌がいたり、はたまた嫌われものが出てきたりするのだ。中には性能や装備にクセがありすぎて、売り手を困らせるクルマもあった。80点、優等生などと言われるトヨタ車にも、クセが強いクルマは多い。なかでも売った営業マンを強く育てた、強烈スパルタ教育のトヨタ車を3台紹介していこう。

文:佐々木 亘/画像:トヨタ

貿易摩擦緩和のためにトヨタから販売されたOEMモデル。こんなにかっこいいのにじつは問題児だった
【画像ギャラリー】個性的? 拗らせ系? クレーム多発? 営業マン泣かせなクセ強トヨタ車三銃士を連れてきたよ!(21枚)画像ギャラリー

フワフワ揺れて止まらないクルマ?

貿易摩擦緩和のためにトヨタから販売されたOEMモデル。こんなにかっこいいのにじつは問題児だった
貿易摩擦緩和のためにトヨタから販売されたOEMモデル。こんなにかっこいいのにじつは問題児だった

 まずは20世紀のトヨタ営業マンにスパルタ教育をしていたクルマ。1996年から2000年にかけて販売されていた、キャバリエだ。

 シボレー・キャバリエのOEMモデルだが、トヨタが日本向けに各所を改良。アフターサービスも充実させ、輸入車としては異例の低価格戦略をとって、積極的に売りに出た。ただ販売台数は目標の半数以下にとどまるなど、売るのに困ったクルマなのである。

 また、単純に売れないだけでは終わらないのが、キャバリエの教育方針。売った営業マンに対して、納車後にも爆弾を仕掛けていたのであった。

 それは、クルマが「曲がる」性能と「止まる」の欠如。フワフワの足にロールの大きなボディが、日本の市街地を走るには、なかなかに忍耐のいるセッティングだったのだ。さらにブレーキは思いのほか効きが緩やかで、加速の良いエンジンとのミスマッチが起き、「止まらない」と感じさせることも。

 結果として特殊なブレーキ特性がブレーキパットを大きく減らし、ブレーキローターの交換も頻発した。輸入車なら仕方なしとも思えるが、安定のトヨタ車に乗り継いできたユーザーにとっては、故障や不具合のようにも感じてしまい、かなりのクレームが入ったものだ。

 トヨタ車ではできない販売経験をさせてくれて、経験値を増やしてくれがヤツ。それがキャバリエだったのである。

ブレーキが世界基準だったクルマ

先代である2代目のキャッチコピーは「トヨタが作った欧州車」。しかし3代目はイギリス生まれの拗らせ屋になってしまった(画像は3代目アベンシス)
先代である2代目のキャッチコピーは「トヨタが作った欧州車」。しかし3代目はイギリス生まれの拗らせ屋になってしまった(画像は3代目アベンシス)

 2011年に販売を再開した3代目アベンシスは、欧州基準で作り上げられた走行性能がピカイチ。高いボディ剛性から生まれる抜群のステアフィールやドアの開閉音まで、国産トヨタのはるか上をいくいいクルマだった。ただ、彼も拗らせ屋となってしまう。

 3代目になり、ネッツ店に加えてトヨタ店とトヨペット店が販売チャネルに加わったのだが良くなかった。欧州トヨタとは何たるかをあまり理解せずに販売した結果、営業マンはブレーキのクレームで悩まされることになる。

 日常的には「ブレーキ鳴き」と「ブレーキダストの多さ」でクレームが入った。また法定点検時には、あっという間にすり減ったブレーキパッドの交換が必要となり、「欠陥品だ」とユーザーからキツイお言葉が入る。

 顧客との不毛な折衝が増えるクルマとなり、売ってからが面倒なクルマというレッテルが貼られた。ただ、アベンシスの特性を理解し、正しく説明していた営業マンはこの限りではない。

 アベンシスは知識の薄い営業マンに、教育をし続けるクルマなのであった。

ブルブル震えるクルマ

「日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したほどのクルマではあるが、売り上げは芳しくなかった
「日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したほどのクルマではあるが、売り上げは芳しくなかった

 最後は2008年に登場したiQ。マイクロコンパクトという新ジャンルに挑戦し、自分の手足のように動く独特のドライブフィールは一級品だった。

 しかしながら問題は、1.0Lの3気筒エンジンで起こる独特の振動。シートとステアリング全体が、アイドリング時にブルブルと震え出す。当時の3気筒は、雑に言うと「こんなもの」なのだが、ヴィッツではあまり気にならない振動だっただけに、悪目立ちしすぎた。

 iQは、販売時に「試乗」を行うことの大切さを説いたクルマだ。数字に踊らされて、肝心かなめの体験を省きクルマを売ると、あとからしっぺ返しがやってくる。面倒でも、時間がかかっても、ユーザーを意中のクルマに乗せることは、大切な営業マンの仕事なのだ。

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