【かつて危険の代名詞…今は?】最新軽自動車の安全装備 案外ある機能差と性能差

日産デイズ

新車価格:129万6900~181万1700円

2019年3月にデビューした日産デイズ&デイズハイウェイスター。日産では特に安全装備に名称は付けていないが、SOSコールの独自採用などオリジナリティを発揮

 日産の最新軽自動車はデイズとなります。日産は特に先進安全装備について愛称はつけていません。

 プロパイロットがそれに当たると考えている人もいるようですが、プロパイロットはアダプティブクルーズコントロールとハンドル支援を組み合わせた装備の愛称なのです。

 さて、日産の先進安全装備についてはほかのメーカーの装備に準じるものを先進安全装備としてピックアップし以下に列記します。

※薄橙色:突軽減ブレーキ、水色:ペダル踏み間違い時加速抑制装置、薄緑色:車線逸脱警報関連装置、黄色:ACC、茶色:先進ライト、灰色:そのほか

 インテリジェントエマージェンシーブレーキ、車線逸脱警報、踏み間違い防止アシスト、フロント&バックソナー、インテリジェントLIは全車に標準装備なのですが、約半数のグレードでレスオプション化できるというようになっています。

デイズにはほかの日産車同様にプロパイロットが設定されている。プロパイロットはACCにハンドル支援を組み合わせたシステムだ

 インテリジェントエマージェンシーブレーキはクルマと人に対して機能します。プロパイロットはアダプティブクルーズコントロールと車線維持機能を合わせ持つ機能です。渋滞時は停止まで作動し、その後ブレーキの保持もされます。

 ライバルに大きく差を付けているのがSOSコールです。SOSコールは事故などの際にオペレーターにGPS情報を自動送信するほか、あおり運転被害や強盗の際にスイッチを押して救援を求めるということもできます。

三菱eKワゴン/eKクロス

新車価格:132万~179万8500円

2019年3月にデビューした三菱の eKワゴン& eKクロス(写真はクロス)。安全装備は日産デイズと同等ながら、独自でe-アシストの名称で展開中

 三菱のeKワゴン&eKクロスは基本的な部分は日産デイズと共通性を持ったモデルです。三菱eKシリーズと日産デイズは、両社が協同出資したNMKVがクルマを企画し、両社が協力し合いながら作り上げたモデルです。

 日産は先進安全装備に愛称を付けていませんが、三菱は「e-アシスト」というネーミングを使っています。「e-アシスト」に含まれる装備は以下のとおりです。

★印の装備はe-アシスト以外のもの
※薄橙色:突軽減ブレーキ、水色:ペダル踏み間違い時加速抑制装置、薄緑色:車線逸脱警報関連装置、黄色:ACC、茶色:先進ライト、灰色:そのほか

 つまり先進安全装備については、日産デイズと同じラインアップなのですが、唯一装備されないものがあります。それはSOSコールです。

 日産は緊急自動通報システムの「Dコールネット」に加入しているのですが、三菱は未加入なのです。それが理由でeKワゴンとeKクロスにはSOSコールが装備されていません。

 また、eKワゴンとeKクロスはデイズ同様に安全装備のレスモデルも設定されています。

デイズ、 eKシリーズに共通しているのはクルマを客観的に見ることのできる駐車支援機能で、三菱はマルチアラウンドモニターの名称でラインナップ

軽自動車の安全装備の進化は止まらない!!

衝突軽減ブレーキでは軽自動車も車両と人の両方を検知するタイプがスタンダードとなっているなか、N-WGNの自転車も検知するのはアドバンテージがある

 さて、各社最新の軽自動車について安全装備を確認してみました。今後は、レスオプションはなくなる方向にあるわけですが、現段階ではレスオプションが選べるというのがちょっと問題ありだと思います。

日産は特に安全装備に名称を付けていないため、ACCはプロパイロットがあるため氷柱では〇になっている。三菱が△になっているのは、MIパイロットはe-アシストには含まれないため。そのほかターボとNAで差があったり、グレードによって変わってくるので、購入前に要チェック

 少なくとも一般道を走るクルマはレスオプションはやめたほうがいいでしょう。

 各車を比較すると、衝突軽減ブレーキについてホンダのみが自転車に対応ということを掲げています。自転車の飛び出しなどは非常に多く、自転車に対応しているのは非常にうれしいことと言えます。

タントはLにスマアシ非装着モデルを設定しているが、価格差を考えると絶対に装着モデルを購入したほうがお得。何よりも安心して運転できるのがいい

 また、安全装備とは言えませんが、電動パーキングブレーキを使っているクルマはACCでの停止後にブレーキ保持ができることで運転の負担を減らしています。

 負担が減ることは疲労が減ることなり、間接的に安全性を向上することになります。

 日産のみが「SOSコール」に対応していますが、今後はこうした機構も多くのモデルに組み込まれていくことになるでしょう。

 各車ともに踏み間違い防止装置を採用、ソナーやモニターで車両周辺の安全性確認もしやすくなっています。

日産初のヘルプネットはデイズに搭載されたというのが凄い(SOSコール)。今後軽自動車でもヘルプネットを搭載するモデルが増殖するはず

 このように軽自動車も安全性が向上していくのは必須で、多少の価格アップもやむを得ないでしょう。

 現状、装備車未装備車の差、レスオプションの価格などを見ると7万~8万円程度がこれらの先進安全装備の価格とみられます。

 しかし、採用車が増えれば量産効果によって、コストダウンも可能なので、今はそれに期待したいところです。

★     ★      ★

 忘れてはいけないのはどんなにクルマが進歩しても、最終的にそれを操作するのは人間で、責任を取るのも人間だということです。まずは漫然と運転するのではなく、きちんと運転する、ということを心がけて下さい。

 そうすることで事故やトラブルは大きく減っていくものです。今一度、自分がいい加減な安全確認や、いい加減な運転操作をしてないか? 胸に手を当てて考えてみてください。

【画像ギャラリー】~各種安全装備~軽自動車で初搭載したのはどんなクルマ?

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