理由3:本物や頂点が欲しい人はそれなりにいる
極論として実用だけで考えたら、日本は自動車メーカーが多いことや道路環境もあり輸入車、レクサスを含めたプレミアムブランド、スポーツモデル、本格オフローダーはなくても困る人は少ないだろう。
筆者もGRヤリスを買っても自分にとっては超高価なクルマなこともありハードに使ったり、手を加えたりというつもりはない(GRヤリスを買ったら、悲しいことながら現実的にそんなことに使えるお金は残らないと思う)。
でもプレミアムブランド、ホンダシビックタイプRやルノーメガーヌRSのような独ニュルブルクリンクFF最速を狙ったスポーツモデル、日産GT-Rのようなスーパーカーやポルシェのスポーツカー系、スズキジムニーやジープラングラーといった本格オフローダーは絶対的な数は多くないにせよ、一定数は売れている。
これは時計や衣類のような身に着けるもの、ミラーレス一眼や一眼レフも相当売れているカメラ、プロが使っているものが欲しくなる。これは趣味性が反映されるクルマも同じ。
「必要性がなくとも、本物や頂点を使ってみたい」、と考える層もそれなりにいるということなのではないだろうか。
GRヤリスの場合は、トヨタがカタログやプロモーションビデオなどで盛んに謳っている「BORN FROM WRC(世界ラリー選手権生まれのスポーツモデル)」もユーザーに対し本物感をうまくあおっている。
理由4:ホモロゲーションモデルとしての魅力とユーザーへの配慮がある
GRヤリスのようなモータースポーツ参戦ホモロゲーションモデルは、WRC参戦のホモロゲーション(認証)を取得が必須だ。
GRヤリスであれば連続した12カ月にモデル全体で2万5000台以上、ベース車が2500台以上という生産台数が必要だ。
モータースポーツ参戦ホモロゲーションモデルに対し故徳大寺有恒先生は30年ほど前に、「この種のクルマは、極端に言えば『メーカーの勝手で参戦したいモータースポーツに出るのに必要な資格を得る』のが目的だ。そのためにユーザーに買ってもらうのだから、買ってくれたユーザーには何らかの楽しみを与えなければならない。その好例がWRC参戦ホモロゲーションモデルとして、ラリーカー的なコントローラブルなハンドリングやインテリアの雰囲気などを持っているランチアデルタインテグラ―レだ」とおっしゃっていた。
GRヤリスはまず全体的な本物感でそれができていると思う(軽量化のためボンネット、ドア、バックドアはアルミ、ルーフはカーボンだ!)。
さらに現在先行予約を受け付けている1stエディションは成約者にWRCジャパンのチケットや特別応援席など特別な体験、オリジナルミニカーのプレゼントといった特典もあり、「WRCに参戦できるようGRヤリスを買ってくれたユーザーへの感謝」を強く感じる。
理由5:GTカー的な使い方にも対応している
これはGRヤリス全体の魅力の中では小さなことかもしれないが、GRヤリスはハイパワーな4WDという全天候型のクルマなのに加え、メーカーオプションで先行車追従型のアダプティブクルーズコントロール(夜間の歩行者にも対応する高性能な自動ブレーキも含む)などから構成される予防安全パッケージも設定されている。
この点によりGRヤリスは現代的な全天候型のGTカー、日常のアシとしての資質も実に高い。筆者はこの点も大きな魅力に感じており、予防安全パッケージだけは装着するつもりだ。
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