こだわりのデザインが性能を大きく進化させた
新たに登場したビューロVE304は、プレミアムコンフォートタイヤとして静粛性をさらに進化させている。具体的には、先代VE303と比べ、パターンノイズを24%、ロードノイズは29%低減している。圧倒的な静粛性がこのタイヤの最大の特長だ。
トレッドデザインは、4本の縦溝を基調にした左右非対称のリブデザインで、左右のショルダーブロックは溝というよりサイプと呼びたくなる細溝で、ブロックを小さく切り分けているのが特徴。これは静粛性とコンフォート性を高めるためのデザインだ。
とても凝ったデザインで、4本の縦溝のうち外側3本はストレートグルーブではなく3D波型グルーブと呼ばれ、微妙に波型を描いた縦溝となっている。
この縦溝デザインによってロードノイズを大幅に低減。29%のロードノイズ低減に大きく貢献しているのだという。
1年2年経過後の性能も考慮
静粛性・快適性に軸足を置いたタイヤであることは間違いないのだが、優れた静粛性を実現しながら、タイヤとして求められる安全性も作り込まれているところも、このタイヤの大きな魅力だ。
タイヤの転がり抵抗とウエットグリップを格付けするタイヤグレーディングでは転がり抵抗がA、ウエットグリップはa(64サイズ中63サイズ)を獲得。低燃費タイヤとしても堂々たる性能を備えている。
コンパウンドには“水素添加ポリマー”という材料が配合されている。
これはゴムの質をしなやかに保つ働きを持ち、ウエットグリップ性能を高める働きがあると同時に、熱やオゾンと反応しにくい分子構造を持っているので、摩耗時のウエットグリップ性能の低下を抑える働きもある。
さらに、この4本の縦溝はタイヤが摩耗すると溝幅が広くなるように設計されており、摩耗時の排水性の低下を抑える耐ハイドロプレーンング性能を高めている。
新品時の性能だけでなく、1年2年経過した時のウエットグリップ性能や、排水性まで考えて作られているのだ。
操縦安定性はさらに進化
そしてもうひとつ、プレミアムコンフォートタイヤで大切な性能が操縦安定性だ。社内テストではレーンチェンジ時のふらつき(ヨーレートピーク)を先代モデルに対して10%向上(少なく)しているという。
先代モデルのVE303も操縦安定性では評価の高いタイヤだったが、VE304はハンドル操作対してよりリニア(≒素直)に応答してくれる。
トレッドブロックの(リブ)剛性を整えふらつきを抑えている。
また、ノイズの低減に役立っているというタイヤケースの一番上に巻かれるベルト=ハイブリッドバンドは、2本の材質の異なる糸を縒って作ることでしなやかさと強靭さを併せ持っている。
トレッド面の内部の動きを抑えノイズを低減するとともに、高速域ではタイヤ形状を整える役割を持っているのだ。これによって素直な操縦性を作り出す役割も果たしている。
といった具合に、実はリプレースタイヤでも性能アップは例えばコンフォート性能を高めたぶんベースの性能も底上げしているわけだ。
圧倒的な静粛性
繰り返しになるが、リプレースタイヤの魅力は、ある性能をより高めることができる点にある。ただし、スポーツカーに快適性、あるいはコンフォートサルーンに必要以上のスポーツ性を求めてもかなわない。
そのクルマの特長をよりグレードアップするようなタイヤ選びをすることで、リプレースタイヤを選ぶ効果は大きくなるのだ。
VE304について言えば、その静粛性は圧倒的で、このタイヤを付けるだけで、1ランクか2ランクくらい上の静粛性、快適性が得られるはずだ。
プレミアムサルーンの快適性をグレードアップさせることはもちろん、高速道路で会話がしにくく感じるミニバンや、騒がしく感じるコンパクトカー、そんなクルマに装着しても、たぶんビックリするくらい効果が期待できると思う。
適切にリプレースタイヤを選べば、いま乗っているクルマがぐっと魅力的になる。これこそリプレースタイヤ選びの真骨頂なのだ。
コメント
コメントの使い方