2019年に最新世代へとモデルチェンジを果たしたミッドサイズSUV「X5」と、ミッドサイズクーペSUV「X6」に、ついにMハイパフォーマンスモデルが設定された。
SUVをベースとしながらも、BMW M社が手を入れることで、サーキット走行までカバーするスポーツモデルへと生まれ変わらせたモデルだ。新型では、よりアグレッシブな走行を想定した”コンペティション”モデルのみが設定される。
スーパーSUVに仕立てられた新型のスタイルやメカニズムについて紹介しよう。
文:大音安弘、写真:BMW
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最強仕様となる”Mコンペティション”を導入
BMWは、2020年3月12日、ミッドサイズSUVであるBMW 「X5」と「X6」に、Mハイパフォーマンスである「Mコンペティション」を設定した。
価格は、「X5 Mコンペティション」が1859万円。「X6 Mコンペティション」が1899万円となる。いずれも右ハンドル仕様車が設定されるが、X6のみ左ハンドル車を選択することも可能だ。
両モデル共に、これまでもMモデルが設定されていたが、新型では、よりアグレッシブなスポーツ走行を想定した「コンペティション」仕様のみが導入されるのも大きな特徴といえる。
精悍さに溢れたMのスタイリング
エクステリアは、Mコンペティション専用デザインへと仕上げられている。専用アイテムとして、ブラック仕上げとなるMモデル用キドニーグリル、エアロタイプのミラーキャップ、フロントフェンダーに備わるサイドギルなどが与えられ、パワフルさとスポーティさを強調する。
リアセクションでは、Mスポーツ・エキゾースト・システムが存在感を示し、これらのモデルが高性能SUVであることを主張。テールゲートには、それぞれ専用の「Mコンペティション」エンブレムも装着する。
またクーペライクなX6では、テールゲートにリップタイプの「Mカーボンリアスポイラー」も用意。控えめながら、高速走行も得意とするMモデルのキャラクターを強調してくれる。
そのままの姿でサーキットへ
インテリアは基本的にはベースモデルに準ずる。ただ、そこはMモデルだ。当然、サーキットモデルに相応しいアイテムも装備される。ホールド性に優れるMマルチファンクションシートやM専用ステアリングホイールは、その代表例といえる。
またヘッドアップディスプレイでもM専用表示を取り入れるなど、究極のスポーツドライビング環境が整えられている。
M社が手掛けた絶品のメカニズム
パワーユニットは、いずれも4.4LのV8ツインターボエンジンを搭載。最高出力625ps/6000rpm、最大トルク750Nm/1800~5600rpmを発生する。
このユニットは、BMW Mモデルのフラッグシップモデル「M8」にも採用されているもので、BMW M社の最新技術を余すことなく投入し、開発されている。
そのスペックを最大限発揮すべく、4WDシステムもBMW M社開発による「M xDrive」を組み合わせる。前後トルクの可変配分に加え、後輪側に備わる「アクティブMディファレンシャル」の働きにより、後輪や数のトルク配分も最適化を図る。
また後輪駆動のような正確かつ俊敏な操作性を重視し、走行安定性を保つために必要な前輪の駆動力を必要なタイミングを見計らい、供給する。ドライバーの好みで前後の駆動配分を設定することも可能で、ほぼ後輪駆動状態に近いモードへの切り替えも可能だ。
新型X5とX6には、BMW Mの技術を投入したスポーティな最上級グレード「M50i」が設定されているが、性能や装備の両面で、よりスポーツ指向を強め、高性能化が図られていることがわかる。
シンプルに表現するならばストリート重視のM50i、そしてサーキットまで手中に収めるMコンペティションと、それぞれキャラクター分けもしっかりと行われているようだ。
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