ホンダクラリティPHEV
2月の登録台数:6台(1月を含めて9台)
クラリティはもともと燃料電池車として設定されたが、その後にPHEV(プラグインハイブリッド)を加えた。この売れ行きは低調で、2020年2月は6台だった。
売れ行きを低迷させたのは価格の高さだ。本革とプライムスムースを使った上級シート表皮、ホンダインターナビ、8スピーカーのオーディオなどを標準装着するものの、価格は598万9500円に達する。
CEV(クリーンエネルギー自動車)補助金の22万円を差し引いても576万9500円だ。
同じホンダのアコードは、充電機能を備えないハイブリッドだが、価格は465万円になる。従って単純に比べると、クラリティPHEVは、充電機能による補助金の22万円を差し引いてもアコードに比べて111万9500円高い。
クラリティ自体が少量生産車とあって、価格が割高になった。
また燃料電池車のクラリティフューエルセルは、リース車両ではあるが、価格は783万6400円だ。このモデルに交付されるCEV補助金は210万円と高額だから、交付額を差し引くと573万6400円になる。
つまり補助金額を含んだ支払い額は、クラリティPHEVが576万9500円、クラリティフューエルセルは573万6400円になり、プラグインハイブリッドの価格が燃料電池よりも高くなってしまう。
この差額もクラリティPHEVを割高に思わせる理由だ。ホンダの販売店によると、「クラリティPHEVには、環境技術を特徴としている法人のお客様が高い。一般のお客様は少ない」という。
三菱i-MiEV
2月の登録台数:7台(1月を含めて21台)
i-MiEVは、2009年に軽自動車サイズの電気自動車としてリース販売を開始した。その後に数回の改良を行い、2018年のマイナーチェンジで、軽自動車から小型車に拡大された。
フロントバンパーなどの変更に伴い、全長を3395mmから3480mmに伸ばしたからだ。全幅は1475mmで変更はないが「軽自動車サイズの電気自動車」というi-MiEVの貴重な特徴が失われた。
そしてi-MiEVは、機能や価格をリーフと比較されると辛い。
i-MiEVの最高出力は47kW、最大トルクは160Nm、リチウムイオン電池の総電力量は16kWhで、1回の充電で走れる距離はJC08モード走行で164kmとされる。
グレードはXのみで価格は300万3000円だ。CEV補助金の18万4000円を差し引くと281万9000円になる。
いっぽうリーフSは、最高出力が110kW、最大トルクは320Nm、リチウムイオン電池の総電力量は40kWhとなる。1回の充電で走れる距離は、JC08モードで400km(WLTCモードで322km)だ。
つまりリーフのスペックはi-MiEVの約2倍、リチウムイオン電池の総電力量と1回の充電で走れる距離はi-MiEVの2倍以上になる。
加えてリーフSには、i-MiEVに装着されない衝突被害軽減ブレーキなども採用されている。これだけの内容を備えて、リーフSの価格は332万6400円だ。CEV補助金の42万円を差し引くと290万6400円に収まる。
従ってリーフSを選ぶと、i-MiEVに約9万円を加える程度で、走行性能、1回の充電で走れる距離、安全装備、居住性など、さまざまな機能が大幅に向上する。
こうなると多くのユーザーがリーフを選ぶ。2020年2月のリーフの登録台数は2981台、i-MiEVは7台というのも納得できるところだ。
三菱は電気自動車で実績のあるメーカーだから、軽自動車サイズの電気自動車を新たに開発してほしい。
もともと電気自動車は、市街地など一定地域内の移動手段に適しており、軽自動車のサイズとは親和性が高い。軽自動車サイズの電気自動車は、日本の使用環境に適した優れた移動手段になり得る。
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