Z(2代目)
販売期間:1998~2002年
1998年にホンダが登場させたブランニュー軽自動車は、1974年に絶版となったZの名を冠してホンダZ復活と話題になった。
デザインをオマージュしているわけではないが、UM-4(アンダーフロア・ミドシップ・4WD)という斬新な技術を盛り込んでいる点では初代同様に軽スペシャルティと呼べるものだった。
ホンダZの最大の売りは、パワートレーンをフロア下に配置したことにより広々とした室内スペースを確保していたことで、実際に小型車並みの2380mmの室内長を実現。
またUM-4にはフロントにエンジンがないことによる衝突安全性の高さというメリットもあり、ホンダらしさ全開の非常に尖った軽自動車だった。
しかし、ユーザーにとってはネガのほうが目立ってしまった。
まず、3ドアしかラインナップしていなかった。コンパクトカーも3ドアが消えたのはリアシートへの乗降性が悪いからで、ユーザーからも不評だった。
UM-4という凝ったメカニズムのために車重が970kgと1t近くあり、52psのNAエンジンでは非力すぎた。
64psのターボならキビキビと走れたが、約130万円と高額だった。今では130万円の軽自動車は当たり前だが、当時は1.5Lクラスのクルマが購入できたため敬遠されたため、わずか3年3カ月という短命に終わってしまった。
UM-4は元々アクティのシステムを流用したこともあり、バモスにも搭載され2019年まで生産されていた。
S2000
販売期間:1999~2005年
ホンダの50周年記念車として登場したのがS2000で、ホンダの『S』が29年ぶりに復活となった。
車名の2000が示すとおり、エンジンは専用開発された2L、直4DOHC+VTECのF20Cで、NAながら250ps/22.2kgmで、圧巻は250psを8300rpmでマークする超高回転型エンジンだったことで、レッドゾーンの9000rpmという珠玉のユニットだった。
後期モデルは2.2Lに排気量アップされ、扱いやすさを手に入れた半面突き抜けた感じは失われたが、時代の流れからは正常進化と言っていいだろう
ステアリングもクイックで、スパルタンを絵にかいたようなクルマで、日本車では有数の尖ったクルマで、目立たないながらも細かく手を入れて改良されていた。
軽自動車のS660は登場したが、S2000は単発で終わり後継モデルは登場していない。
販売面で苦戦したのはホンダが悪いわけでも、クルマがダメだったわけでもない。
S2000は発売当初は納車数年待ちというバックオーダーを抱えながら、信じられないほど早くその人気は収束してしまったが、これもスポーツカーの常だ。
日本の自動車産業は、大量生産大量消費の上に成り立っているがゆえに、スポーツカーにとっては生きづらい。
S2000の復活待望論は常にあるが、ホンダが少量生産でペイできる体制を作らない限り復活するのは難しいのかも。でも復活に期待したい。
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