トヨタのハイエースが実に2017年11月以来の一部改良を行い、安全装備の充実を図っている。外観等は基本的に変わらないが、これを機に! という方は多いのではないだろうか。
軽の王者N-BOX、オデッセイのビッグマイナーチェンジ、マーチの現状…などなど、コロナ禍における国内メーカーの最新情報をお届け。
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※本稿は2020年4月のものです
文:遠藤徹/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年5月10日号
■トヨタ 4月17日にハイエースを一部改良 安全装備を拡充
トヨタは4月17日、ハイエース(ワゴン、バン)を一部改良しました。
今回の改良はICS(インテリジェントクリアランスソナー)やVSC(横滑り防止装置)の採用、ドアミラーの大型化、騒音対応タイヤへの変更、ラジエータグリルの意匠変更、燃費表示をJC08モードからWLTPモードへ変更するなどで外観の変更はありません。

また、メーカーオプション設定の変更が多いため、価格の改定はほとんど行わない見込みです。
改良型の生産開始は5月1日を予定。商用車のハイエースバンも同様に改良します。姉妹車のレジアスエースはハイエースに統合され、生産を終了します。
●ハイエース 価格
・バン 219万2000円~411万8000円
・ワゴン 288万6000円~399万4000円
・コミューター 322万1000円~374万7000円
■日産 マーチは生産中止状態に
首都圏の日産販売店筋によるとタイから輸入しているコンパクトカーのマーチはこのほど現地での組み立てをストップさせたようです。フルモデルチェンジやマイナーチェンジ前のラインストップなのか、モデル廃止のためなのかはっきりしません。

次期型マーチは三菱のミラージュと統合し、三菱からのOEM供給に切り替えるとの情報もあります。これが事実とすれば、フルモデルチェンジはまだ先のことになる可能性が高いです。
(編集部註:自動車評論家 渡辺陽一郎の取材によると今夏にも改良モデルが発売される可能性が示唆されている→岐路に立つ伝統の名車 待望の新型どうなる? 日産マーチ一時生産中止で改良型投入への道)
現行モデルは国内に相当数の在庫があり、当面は従来モデルの販売が可能な状況にあるからです。しかしモデルが古いため、最近は販売台数が激減しています。
■注目したい! ホンダ N-BOX&オデッセイのビッグマイナーチェンジ!
ホンダはN-BOXとオデッセイを今秋の9~10月にビッグマイナーチェンジします。
N-BOXは現行モデル発売後3年が経過するので、かなり大幅な手直しとなります。フロントマスクはガラリと変わるはずです。上級&スポーツバージョンのカスタムと標準タイプの明確なコンセプト分けはさらに違いをはっきりさせる見込みです。これまでなかったSUVテイストの「クロスター」バージョンを設定する可能性もあります。

オデッセイは現行モデルの登場が2013年10月31日だから、今秋で7年が経過します。普通に考えればフルモデルチェンジの時期ですが、今回はビッグマイナーチェンジで仕立て直します。
改良型はフロントマスクをガラリと変え、内装も内張やシート地を変更してクオリティアップを図ります。パワーユニットは新型アコードに積んでいる改良型2Lハイブリッドを移植して走行性を向上させる予定です。
■ホンダは新車販売で現金2回払いが増加傾向に
ホンダの新車販売現場で最近目立つのは、現金での2回払い決済が増加傾向にあることです。支払い方法は、これまで残価設定クレジットが全体の半分以上と中心でしたが、昨年秋頃から各販社が設定しだした現金2回払い方式が着実に増え、全体の20%程度を占めるホンダカーズ店もあります。
この現金2回払いは、車両本体の半分を購入時に支払い、残りは3年後に支払う仕組みです。もともと3年ほど前にトヨタが採用し、成果を上げていることから、ホンダがそれに倣ったという経緯があります。こうした支払方法は、今後他社にも波及する可能性があります。
■いよいよ始まった? トヨタ プレミオ/アリオン 併売に向けての動き
トヨタは5月から全国規模の販売店で全車併売しますが、プレミオ/アリオンはこの併売に向けた見積書の作成が始まりました。当面は従来どおりのグレード構成での併売となっています。
プレミオ/アリオンは姉妹車ですが、プレミオのほうがやや高級感を持たせているのに対し、アリオンのほうはスポーティな仕立てを強調し、コンセプトを分けています。車両価格は、プレミオが194万4000~276万2000円、アリオンは193万3000~272万5000円で、プレミオのほうがわずかに高くなっています。
今後はどちらかに統合して1本化するのか、両方とも生産中止するのか、あるいはカローラアクシオを含めて統合した5ナンバーサイズの新型車へと生まれ変わるのか、まだ明らかではありません。

また、4月4日からはアクシオも含めたカローラシリーズもひと足早く併売されるようになりました。カローラのセダンは5ナンバーのアクシオと3ナンバーの新型がありますが、当面はこれらも同じ店舗で併売になります。しかし、アクシオは今年9月頃にも生産を終了する見込みです。そのため、アクシオに代わって、プレミオ/アリオンの1.5Lモデルが5ナンバーセダンの法人需要をカバーすることになりそうです。
■トヨタ ルーミー/タンク、ポルテ/スペイドは全系列店の全車併売でどうなる?
今年5月からトヨタの全系列店で全車併売がスタートしますが、コンパクトワゴンの姉妹車であるルーミー/タンク、ポルテ/スペイドはどうなるのでしょうか?
これらは車両価格も同一でフロントマスクが異なるだけです。全店併売となればどちらかに1本化されるはずですが、今年5月はとりあえず従来のままの併売でスタートし、以降は様子をみながら一本化するのかを決めるようです。
これまでの販売実績から見ると販売台数の多いルーミーが残り、売れゆき不振といえるポルテ/スぺイドは両モデルとも廃止とすることが有力になっています。

■絶好調? トヨタ ライズの納期が8月にさらに延長へ
絶好調の販売推移を見せている新型コンパクトSUV、ライズは納期がさらに延長する傾向にあります。3月下旬現在の納期は7月末から8月となっていて、ここにきて1カ月程度延びているのです。
納期が延びている理由は、リーズナブルな価格設定もあって人気がとても高く、扱い店がトヨタ全系列店であるため競争状態にあり、生産しているダイハツが休日出勤や残業しても現状以上の増産態勢が組めず、供給が間に合っていないためです。
なお、ライズは首都圏では最上級グレードの「Z」2WDを中心に売れています。

■今年8~12月は7メーカーが戦略ニューモデル投入
今年8~12月はトヨタ、日産、ホンダ、スズキ、ダイハツ、スバル、三菱の各社が相次いで新規、フルモデルチェンジ、ビッグマイナーチェンジなどのニューモデル攻勢でラインナップを強化します。
注目される代表モデルは、トヨタが小型電気自動車、日産は新型ノート&電気自動車、ホンダはホンダe、次期型N-ONE、ビッグマイナーチェンジするN-BOX&オデッセイ、スズキは次期型ソリオ、ダイハツは次期型ムーヴ、スバルは次期型レヴォーグ、三菱は次期型アウトランダー、新型軽電気自動車などとなっています。
そのなかでも複数の戦略ニューモデルを投入する日産とホンダは注目です。

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