新型コロナ禍マイカー需要増で「クルマ離れ」が止まる!? 見直されるクルマの価値

新型コロナ禍マイカー需要増で「クルマ離れ」が止まる!? 見直されるクルマの価値

 2020年5月25日、北海道、神奈川県は解除目安を満たしてはいなかったが、罹患者が減少傾向ということで最後まで残っていた1都1道3県も緊急事態宣言が解除された。これにより、2020年4月7日に発令された新型コロナウイルスによる緊急事態宣言は全面解除された。

 日本のみならず、世界を揺るがした新型コロナ禍では「パーソナルエリア」が重要視された。そういった理由から注目を集めたのが、公共交通機関とは違い、プライベート空間で移動できる「マイカー」だ。

 緊急事態宣言が出る前には、「子どもをマイカーで送り迎えをしたい」や、「スーパーなどでまとめ買いした時に便利」という理由から、自動車教習所のペーパードライバー講習に申し込みが多かったという。

 クルマ離れがささやかれる昨今だったが、今回の問題を機にクルマが見直されるきっかけになるかもしれない。自動車評論家の渡辺陽一郎氏が、その動きについて分析する。

文/渡辺陽一郎

写真/Adobe Stock(blanche@Adobe Stock)

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■3密回避 人との接触を避ける移動手段として注目されたクルマ

 新型コロナ禍では、外出を自粛して自宅に留まることが求められた。理由は3密(密閉・密集・密接)を避けて、感染を防ぐことだ。言い換えれば、外出をすると3密のどれかに抵触して感染の危険も高まるから、自宅にとどまる。

 そのいっぽうで、人の少ない公園の散歩などには、出かけても構わないといわれた。犬を飼っていたりすれば、散歩に出かけないわけにもいかないだろう。他人と触れ合わず、感染を避ける配慮をした上での外出であれば、問題ないというわけだ。

 そこでクルマがメリットを発揮する。クルマで外出して、他人と接触したら感染の危険も生じるが、単純に移動するだけなら自宅にいるのとほとんど変わらない。クルマが普及を開始した時代には「クルマは動くマイルーム」などといわれた。クルマに乗って30分から1時間ほど走るだけでも、外出した気分を味わえる。常に自己責任の意識を持つことは大切だが、クルマを使えば、他人との接触を抑えた外出が行える。

遠出はできないが、家から出て、違う景色を見るだけでも気分転換になった。どこかに立ち寄らなければ、人と接触することのないクルマはベストな移動手段だった(xiaosan@Adobe Stock)

 外出先で車外に出たい時も、クルマであれば人の少ない場所を探せる。例えばお弁当を持ってクルマで出かけ、いくつかの公園を回って、空いている場所で食べる方法もある。通常なら公園を探しながら走るのは面倒だが、今ならその移動にも意味が生まれる。

 これが徒歩では、目的地の公園が混雑していた時、別の公園まで歩いて行くのは大変だ。他人との距離を気にしながらその公園で過ごすことになりそうだが、クルマなら混雑を避けられる。給油する時も、空いているセルフスタンドを選べば、他人との接触はほとんど生じない。

 新型コロナ禍をきっかけに、ドライブ・イン・シアターも話題になった。広い駐車場にスクリーンを設置して、クルマに乗った状態で映画を鑑賞する施設だ。音声はラジオなどを使って車載のオーディオから流す。

 かつてのドライブ・イン・シアターは、密閉された狭い車内で男女が密接になれることを目的に利用されることもあったが、見方を変えると他人との接触を最小限度に抑えられる。

 後席からはスクリーンが見えにくかったりするから、ファミリーには推奨しにくい面もあるが、新型コロナ禍におけるクルマの有効活用としてはアリだろう。近年はドライブ・イン・シアターも廃れていたから、かつて利用した経験のある中高年齢層が改めて出かけると、懐かしい気分に浸れるかも知れない。

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