なぜ「RSt」は「スイスポ」に敗れたのか?
スイフトスポーツは、スイフト発売の約9か月後となる2017年9月に発売。専用の3ナンバーボディや高性能な1.4Lの4気筒DOHCターボなど各部に専用アイテムを積極的に搭載し、全面的なアップデートが加えられているのが特徴だ。
その象徴となるエンジンスペックは、最高出力140ps/5500rpm、最大トルク230Nm/2500~3500rpmを発揮する。
「RSt」と比べると、出力で1.37倍、トルクで1.53倍にもなる。燃費性能については、ハイオク燃料指定となるうえ、RStの8割程度の16.2km/L(6速AT車・JC08モード)と落ち込む点は弱点といえるが、それでも先代スイスポよりも燃費は向上されているのだ。
RStを窮地に追い込んだのは、スズキが心掛ける良品廉価なクルマ作りだ。
「RSt」と「スイスポAT車」の価格差は、20万円程度(※デビュー価格で比較)。これならスポーティなモデルを望むユーザーなら、走りの良さやリセールバリューの両面で、スイスポ一択となるのも納得ではないだろうか。
また、税制面でも「RSt」は、標準車の中で唯一、スイスポ同様にエコカー減税の対象外で、自動車税の年間5千円しか差がないのだ。
ただ、デビュー時は、「ハイブリッドRS」と「RSt」の価格差は、約1万3000円と、かなりお値打ち価格であり、どちらを選ぶか迷った人も多かったことはずだ。
裏を返せば、「ハイブリッドRS」を検討する人にも、スイスポが見えてくるのだ。
つまり、元々「RSt」は充分お値打ちなクルマでありった。しかし、あまり声を大きくして言いたくはないが、スイスポは、さらに輪をかけて、お買い得車なのである。
ただ、過度な演出と乗り味を抑えた「RSt」は、大人向けスポーツとしての魅力的がある。この価格で「RSt」を送り出してくれたスズキの志に感謝したい。
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