シミュレーター全盛の時代だからこそ、リアルに走る楽しさを次世代へ残したい。そんな狙いからGRが送り出したのが、新たなカート「GR KART」だ! 本格レーシングカートほどハードではなく、レンタルカートより奥深い。その絶妙な立ち位置はどこまで面白いのか? 大井貴之氏が実際に走らせ、さらに生産現場まで訪ねてその本気度を確かめてきたぞ!
文:大井貴之(Sports Driving Labo)/写真:トヨタ、ヤマハ
【画像ギャラリー】「GRカート」製造の工程を大公開!! トヨタ本気のカートづくりの秘密がコレだ!!!!(16枚)画像ギャラリーなぜGRがカートを? 狙いはリアルなモータースポーツの入口づくり
いよいよGRがレーシングカートの世界に参入! 何故GRがレーシングカートを作るのかって? もちろん、未来のためです。これからの世の中、クルマの世界に限らず時間効率的にもコスト的にもバーチャルが流行ることは間違いない。日を追うごとにバーチャルの世界を創り出すシミュレーターの技術も更に飛躍的な進化をするだろう。
しかし、大きなGと闘いながら風を感じ、音と振動に包まれ、リスクを感じながら走るリアルなモータースポーツには更なる魅力がある。その魅力を多くの人、特に子供たちに味合わせてリアルの虜にすることが日本のモータースポーツの未来、そして自動車産業の未来のために必要。それが筆者が理解したGR KARTが生まれた背景。
今回の取材会は、まず愛知県は岡崎市の南側に位置する1周 約1kmのミニサーキット「幸田サーキットyrp桐山」でGRカートを試乗。そして蒲郡にある商業施設「ラグーナテンボス」に隣接する「GR KART工房」を取材するという行程。
筆者はフォーミュラレースに出場する際のトレーニングとしてレーシングカートを購入しレースに参戦した経験もあるが、それはもう40年近く前の話。レーシングカートのハードさを知っているだけに、高齢者の仲間入りをしている老体にレーシングカートはかなりヤバいことは想像出来る。
この際、お腹痛くなっちゃおうかとも思っていたが、幸田サーキットのピットをスタートするGR KARTを見てちょっと安心。そこにはレーシングカートというよりはゴーカート場という感じの走行音が響いていた。
ガチカートとは違う! GR KARTが狙った「ちょうどよさ」
冒頭の「レーシングカートの世界にGRが参入!」 というのはちょっとニュアンスが違ったようだ。これなら大丈夫かも。ピット前でGR KARTに乗り込むと、まるで最新のGT3マシンのようにペダル位置がスライドし、ステアリングもチルト機構付き。共にワンタッチで調整完了!
もちろん、ガチなレーシングカートと違って押しがけでスタートする必要もなく、セルを回してスタート。ヤマハKT100に代表するSLクラス(入門クラス)のレーシングカートが搭載するエンジンは2ストロークでパワーは11kw/14000rpmくらいであるのに対し、GRカートは発電機用のエンジンを流用した4ストロークでパワーは5kw/6000rpm。
パワーの違いもさることながら、14000rpmオーバーまで回るレーシングカートに対して6000rpmしか回らないエンジンはちっとも刺激的じゃない。
一応筆者はまだ現役でサーキットを走っている身なので、加速力に驚くことはなかったが、何度か走らせた経験のあるレンタルカートとは別物の速さ。同じマシンをインストラクターが走らせると更に別物。


















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