ホンダインサイト
初代(1999~2006:2シーターファストバッククーペ)
2代目(2009~2014年:5ドアハッチバック)
3代目(2018年~:4ドアセダン)
1999年登場の初代インサイトはかつてのCR-Xの元々の姿を思い出せる、空気抵抗低減に注力した2人乗りかつ軽量なアルミ製ボディに、アシスト型の比較的簡易なハイブリッドとなるホンダIMAを組み合わせた燃費追求のコンセプトカーの市販車版的な存在として登場。
燃費は最終モデルの当時の10.15モードで36.0km/Lと技術レベルは高かったが、実用性や普遍性はないクルマだっただけに、販売は振るわず2006年に絶版となった。
2代目インサイトは2代目フィットをベースに1.3LのホンダIMAを搭載した5ナンバーサイズの5ドアセダンとなるハイブリッド専用車として2009年2月に復活。
コンセプトの柱に「安価なハイブリッドカー」ということもあったのもあり、価格は189万円からと2代目インサイトの登場に販売されていた2代目プリウスに比べれば確かに安価で、発売2ヶ月後の2009年4月の月間販売台数ランキングでは1位に躍り出た。
しかし、2009年5月に登場した3代目プリウスは2008年に起きたリーマンショックによる不景気や2代目インサイトの価格を考慮し、車格や装備内容を考えれば2代目インサイトよりさらに安い205万円からという価格を掲げた。
結果3代目プリウスは発売から1カ月で約18万台という空前の受注を集め、2代目インサイトは一気に陰が薄くなってしまった。
2代目インサイトは2011年に1.5LのホンダIMAを追加するなどのマイナーチェンジを行ったものの、3代目プリウスの登場以降浮上することはなく、2014年に再び絶版となった。
月間販売台数ランキングでは1位になったクルマが後継車なく約5年で絶版になってしまうというのは日本車史上極めてマレな例だった。
二世代で終わりかと思われたインサイトだが、2018年12月に今度は現行シビックにエンジン直結駆動モード付き1.5L2モーターシリーズハイブリッドを搭載した、ハイブリッド専用の上級車的存在として再び復活。
ミドルクラスに車格が上がった3代目インサイトも悪いクルマではないが、カーナビなどフル装備なのを考慮するにしても最近マイナーチェンジされた最新モデルで価格は約336万円からと車格に対し高価で、登場当初から販売低迷が続いている。
インサイトは初代モデルからハイブリッド専用車ということこそ一貫しているが、ボディ形態、クラスとも違う。3代目モデルも「いつ絶版になってもおかしくない」というのが率直な印象だ。
ホンダクロスロード
初代(1993~1998年:ローバーディスカバリーのOEM)
2代目(2007~2010年:クロスオーバーSUV)
1993年登場の初代クロスロードは当時バブル崩壊や現代のミニバンやSUVといったRVブームに乗り遅れたためピンチに陥っていたホンダが、つなぎのような意味合いでこの頃資本提携を結んでいた英国ローバー社のSUVであるディスカバリーをOEMとしたモデルだった。
2007年に復活した2代目クロスロードはミドルSUVのCR-Vが前年の2006年に登場した3代目モデルからややプレミアムな路線に移行したこともあり、初代CR-Vにも近いライトなSUVとして登場。
7人乗り3列シートとなる点やハマーを思わせるスタイルが大きな特徴で、機能面は評価の高かった2代目ストリームに近かったこともあり走行性能などは申し分なく、価格もリーズナブルと今になると文句は少ないクルマだった。
しかしプロモーションがうまくいかなかったせいのか販売はパッとせず、3年後の2010年に絶版となるという短命に終わってしまった。
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