初代登場から30年経過 レクサスの旗艦LSはライバルに対抗できているのか?


求められるのはハイブリッド以上の電動化

 そのうえで、この先のレクサスLS進化への期待はどこにあるだろうか。

 ことに欧州では、走行性能のさらなる向上が期待されるだろう。

 しかしいっぽうで、北欧のボルボが語りはじめたように、安全の追求、交通死亡事故者ゼロへ向けた挑戦のなかで、無暗な高速走行の追求はもはや消費者も受け入れにくくなっていく可能性がある。

 高性能という潜在能力は必要だが、単なる高速走行への挑戦は無意味になっていくのではないか。

高級セダンは圧倒的な動力性能と高速安定性が必須とされてきた。高性能であることは必要だが、過度の追及は不要になる可能性が高い

 環境への対応において、トヨタはハイブリッド車の知見で世界の先端をいくが、今日ではそれ以上の電動化が求められ、同時にそれが消費者の関心となっている。

 象徴的なのが、テスラがプレミアムカーの競合となりはじめているとの話がある。そしてドイツでの生産を計画している。またジャガーXJは、EVへ移行することを表明している。

 EVは、超高速での連続走行と、急速充電の繰り返しにおいて苦しい側面がある。走行距離が極端に短くなってしまうことや、急速充電をしにくくなる熱を生じるためだ。

EVのプレミアムセダンとして絶大な人気なのがテスラモデルS。2003年設立の新興メーカーのテスラながら、独自のポジションをすでに確立

 それでもテスラが売れる理由は、ドイツのアウトバーンを疾走するような高級車の性能が、もはや求められなくなってきているということだろう。ジャガーも、英国人の感性を反映しているはずだ。

 同時にまた、超高速で走行することをある水準で止めるなら、安全性も高まる。ボルボは、世界で販売する新車の最高速度を180km/hまでとすることを、ドイツ市場を含め決めている。

 LSも、そうした流れに適合していくことになるのではないだろうか。

LSが目指すはEVでの自動運転!?

トヨタ&レクサスは現行LSをベースに独自の自動運転テクノロジーを盛り込んだ実験車両のTRI-P4により精力的にテスト中

 同時にまた、先進安全技術においてレクサスは、現行LSで車線内に留めながら障害物をハンドル操作で自動回避するという、一歩先へ進めた衝突回避機能をすでに搭載している。

 それら先進技術を積み重ね、自動運転の実現へ積極的に駒を進めるべきだろう。

 現状、操作性や違和感の少なさにおいて、Sクラスの運転支援機能は他社を超える安心と実用性を備えている。

マイチェンした新型LSには、高速道路でのステアリング支援などを含めた新たな自動運転技術が盛り込まれている

 そこはBMWやアウディでさえまだ至らぬ点だ。レクサスの開発陣は、新車が誕生したあとも一丸となって進歩の手を止めない働きをしている。現行LSも、年度ごとの試乗の機会に、熟成が進んでいるのを実感させられる。

 トヨタやアイシンは、4輪操舵を応用した安全や操縦安定性向上の技術を持っている。その運転感覚は、1980~1990年代のそれとはまったく異なり、違和感はまったくない。

 なおかつ運転を楽しめる。そうした蓄積をどんどんLSへ展開し、採用し、世界を驚かせてもらいたい。

 それだけの器を、現行LSは備えていると思う。この先は、現状の性能を進歩させることに止まらず、次への挑戦も課せられていくのだろう。

 2020年8月でGSが生産を終えることにより、最高級車の位置づけに加え、先端技術の旗艦としてLSが果たさなければならない責務は大きい。

 EVのLSで自動運転の実現。これが、目標ではないだろうか。まだ挑戦者であることを肝に銘じれば、頂を目指すことができるだろう。

レクサスLSには、パッシブセーフティ、アクティブセーフティの両面で、世界をリードする存在になってもらいたい

【画像ギャラリー】さらに豪華に美しく変貌を遂げた!! レクサスのフラッグシップセダンのLSがマイナーチェンで一新!!