現行LSは2018年に1万台を販売
欧州プレミアムカーに通じる価値を一気に高めたのが、現行車といえるだろう。車両の大きさだけでなく、外観の造形もレクサスの象徴であるスピンドルグリルが自然になじむようになり、もともと優れていた仕上がりの美しさにはいっそう磨きがかかった。
もちろん、トヨタのTNGAに通じるGA‐Lプラットフォームによる走りの基本性能の向上と、トヨタが世界を牽引するハイブリッドシステムのさらなる進化、また先進安全技術の積極的な採用など、枚挙に暇がない。
販売はハイブリッド車からはじまり、遅れて10速オートマチックトランスミッションと組み合わせたV6ターボエンジン車が発売となった。
2017年の国内における発売は10月からだったが、実質2カ月と10日余りで年内に3500台ほど販売した。
翌2018年は1万台を超える販売台数となり、一般社団法人自動車販売協会連合会の集計によるベスト50以内に入るほどの数字だ(ただし、統計はLS500とLS500hに分けて集計されるため、実際の統計値に記載はない)。
今年になってからは、新型コロナウィルスの影響があるとはいえ、月平均で200台を切る様子もあり、高価な上級高級車とはいえ、販売動向が気になるところだ。
欧州、中国で高級車として認知度が高まる
国内販売は以上のような状況だが、世界の台数を追ってみると、昨年までの段階で年間の販売台数に大きな変動はないといえる。
日本がやや下降線にあり、米国では前型のモデル末期に近い台数であるいっぽう、欧州は堅調といえそうだ。さらに中国での伸びが顕著で、これが安定的なLSの販売台数につながっている。
欧州では、2018年に、前型改良直後の伸びと比べても高い販売台数を記録しており、プレミアムブランドとして浸透しはじめた様子がうかがえる。
走行性能向上のほか、二酸化炭素(CO2)排出量規制やディーゼルからの代替としての電動化、また自動運転へ向けた運転支援技術などの面で、トヨタのこれまでの開発力が認知されはじめられてきたのではないか。
中国は、ドイツ車が強い市場だ。そこに現行の新型が投入されて以降、年間5000台前後を販売し、今年5月までは新型コロナウィルスの影響があるはずだが、日米欧の市場と比べ明らかに多くの台数を販売している。
中国でレクサスへの憧れが高まってきているのだろう。それはすなわち、中国の富裕層にとってドイツ車と変わらぬ価値が認められだしているということだ。これに、中国を除く東アジアでの販売の多さが追従する。
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