選択と集中と表現すれば聞こえはいいが……
いっぽうマーチは、需要をノートのベーシックグレードで補うことが可能だが、エルグランドと同様、かつて人気車だったから知名度は高い。
ノートよりもさらに小さな最小サイズのコンパクトカーという価値を与え、上質に造り込んで先進安全装備も充実させれば、高齢ドライバー時代のニーズに合う。
2019年度(2019年4月から2020年)に国内で売られたデイズ+ルークス+ノート+セレナの台数を合計すると、日産の国内販売の70%近くを占めてしまう。
国内でニーズの高い日産車が大幅に減ったので、認知度の高いマーチとエルグランドもフルモデルチェンジを行い、主力車種に成長させるべきだ。
車種数の削減を「選択と集中」と表現すれば聞こえはいいが、メーカーがユーザーを都合よく選ぶことにも繋がる。
ユーザーにとっては選ぶ自由も失われる。赤字から脱却する方策としての短期的な「選択と集中」、車種を絞ることは理解できるが、長期的には再び充実させる必要がある。
もともと日産の価値は、高い技術で裏付けられた豊富な車種をさまざまなユーザーがニーズに応じて選べることにあった。
それが可能になってこそ、日産は回復した、危機を乗り越えたといえるだろう。
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