今秋登場!? 次期ノートはバカ売れトヨタヤリスを打ち落とせるか?

 2020年2月に登場したトヨタヤリスが絶好調だ。3月は13,164台、4月は10,119台、5月は10,388台と、レンタカーやフリートとしての初期受注分が含まれているにしろ、コロナ禍など全く感じさせない順調ぶりをみせている。

 同時期に出たホンダフィットを抑え、国産コンパクトカーカテゴリで、いま最も人気のクルマだ。

 このヤリス、そしてフィットと、ガチンコ競合となる「日産ノート」も、今夏から今秋のモデルチェンジがウワサされている。

 ノートは、2017年から3年連続で、コンパクトカージャンルでナンバーワンの販売台数を誇っている、このジャンルの王者だ。2018年には、トヨタの「アクア・プリウス」をおさえて登録車販売台数でトップにもなっている。

 しかし、今年2020年は、ヤリスそしてフィットの登場で低迷している。次期型ノートは、バカ売れヤリスを打ち落とし、反撃の狼煙を上げることはできるのだろうか。

文:吉川賢一/写真:NISSAN、RENAULT、TOYOTA、HONDA

【画像ギャラリー】国内コンパクトカーの3強!「ノート・ヤリス・フィット」の歴代モデルを写真で振り返る


「実燃費の良さ」をさらに伸ばせ!

 e-POWERの実燃費の良さは、現行ノートの魅力のひとつだ。信号の多い街乗りであっても20km/Lは下らず、信号が少なければ、30km/Lに届くかのような燃費をたたき出すことができる。41L程度の給油タンク容量(ガソリン車も同じく41L)なのに、100km走行した直後の航続可能距離が、800㎞と出たのには驚いた。

ノートの魅力といえばe-POWERだが、今のままでは、次世代のライバル車には対抗しきれない

 新型ヤリスHYBRIDは世界トップレベルの36.0km/L(WLTCモード)、新型フィットe:HEVも27.2~29.4km/L(WLTCモード)を達成しており、新型ノートにもWLTCモード燃費で30km/L以上を期待したい。

 また、ヤリスHYBRIDも、フィットe:HEVも、高速走行ではエンジン走行が可能であるため高速での燃費に優れるが、常にモーター駆動のe-POWERは、彼らに劣りはしないものの、街乗り時ほどの恩恵を受けることはできない。高速走行でも、彼らを圧倒する燃費を実現することができれば、e-POWERはさらに素晴らしいシステムとなるだろう。

ハンドリング性能は死守せよ!

 そして、現行ノートの魅力の2つ目が、ハンドリング、高速直進性の良さだ。ステアリングを軽く押さえているだけでも、多少の外乱をものともせず、クルマが自らまっすぐ走ってくれる印象が強く、多少気を抜いても安心していられる。

ハンドリングの良さもノートの魅力であり、未だに安心感の高い走りを有している

 路面の継ぎ目でのショックは厳しいが、それでも上屋がフワフワとすることがなく、ボディの振動が収まるスピードが早い。またコーナーでも、ボディモーションをよく抑えられた身のこなしをするので、ハンドル、ブレーキング、加速、といった運転操作のコンビネーションをすると、実に気持ちが良い。

 ロードノイズや発電時のエンジンノイズ、また細かな車体振動など、快適性に関しては最新型のヤリスやフィットには到底及ばないが、現行ノートのハンドリングの良さは、依然として競争力があり、伸ばしてほしいポイントだ。

発電時のエンジンノイズは低減必須!

 販売の8割を占めるe-POWERであるが、先ほども触れたように、このe-POWERのエンジンノイズは、ヤリスHYBRIDやフィットe:HEVと比べると落第点だ。e-POWERのエンジン発電時には、まるで芝刈り機のような盛大なエンジンノイズが聞こえてくる。

発電時のエンジンノイズは酷い。ぜひとも対策を望む

 日産も認識しているようで、上級グレードであるメダリストには、発電時のエンジンノイズの遮断が念入りにされている。コストが優先される下位グレードでは、遮音材や吸音材を廃止したようだが、現状のレベルでは競争力はない。次期型ノートのクルマとしての質感を、どこまで高められるかは、このエンジンノイズやロードノイズをどこまでカットできるかにかかっている。

インテリアの質感向上、進化型プロパイロット搭載も必須!

 インテリアの質感向上や、プロパイロットの搭載は、外野がごちゃごちゃ言わずとも、やっていただけるだろう。現行ノートのインパネやメーター周りなどは、他メーカーと比較すると、明らかに古いテイストでつまらない。VWゴルフのように、デジタルメーターを標準搭載せよ、とは言わないが、見せ方次第で魅力的になるはず。次世代の日産インテリアに期待したい。

同一コンセプトのインテリアを採用した日産車が増えたことで、見飽きた印象になってきている

ヤリスを打ち落とせるのか?

 ノートを購入した大半の顧客は、e-POWERの「これまでになかった新しいパワートレイン」、「e-POWERというキャッチーな名称」、「ワンペダルドライブ」といった、「目新しさ」に反応し、評判の良さに納得し、リーズナブルな価格に飛びついた、という流れが多いであろう。

 そういった「目新しさ」を、次期型ノートでも打ち出すことができれば、ヤリスを打ち破ることができるかも知れないが、現実はそう簡単にはいかない、と思われる。

 しかし、打つ手がないわけではない。

 日産とアライアンスを組むルノーのコンパクトカー「クリオ(日本名ルーテシア)」に、2020年6月、E-TECHというハイブリッドが追加された。ルノーによると、都市部の走行では、その8割をEVモードで走行が可能で、市街地走行では同クラスのガソリン車と比較して、最大4割の燃費向上、EVモードで最高速75km/hでの走行が可能だ。WLTPモードでは23.2km/L、CO2排出量は96g/kmを達成するという。

ルノーのE-TECHの水平展開は難しいかもしれないが、進化型e-POWERの出来によっては、次期型ノートの売れ行きが左右される可能性もある

 このトランスミッションには、ギアボックスがあるため、エンジン動力による走行も可能であり、従来のe-POWERのように、常時モーター駆動のシステムとは異なる。日本ではスピードレンジが低いため、欧州で使用する場合よりも、このシステムの恩恵を受けることはできないが、それでもe-POWERよりも、高速走行が得意になるだろう。

 ルノー日産三菱アライアンスで、構造部品を共用することが発表されているが、おそらく、このE-TECHは、スピードレンジが高い欧州で販売する日産車・三菱車への搭載にとどまる可能性が高い。しかし筆者は、このシステムを、「次世代e-POWER」として導入してみるのもいいのではないか、と考える。

 高速燃費改善まで対応した「進化型e-POWERを備えた新型ノート」というかたちで、ユーザーに「進化」をアピールできれば、人々はまた、振り向いてくれるのではないだろうか。

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