タフトの月販目標はやや控えめ!?
コロナ禍の影響を受けていない2019年(暦年)の販売実績を見ると、モデル末期だった先代スズキハスラーも、1カ月平均で4820台を販売していたからだ。新型ハスラーの月販目標は6000台に達する。
タフトはユーザーから見ればハスラーのライバル車で、月販目標が4000台では腰が引けている。目標台数が少ないために「月販目標の4.5倍」に達したという見方も成り立つ。
発売から1カ月で1万8000台の受注実績も、売れ筋カテゴリーの軽自動車としては驚く台数ではない。
現行タントは売れ行きが伸び悩み傾向で、販売の主力車種では珍しく、発売後早々に割安な特別仕様車を追加した。それでも発売後1カ月の受注台数は、3万7000台と発表されていた。
同様にムーヴキャンバスとミライースも、発売後1カ月で2万台を受注している。今では売れ行きが低調なミラトコットも、発売後1カ月の時点では受注が9000台と発表された。
今は新車として売られるクルマの37%が軽自動車で、SUV比率も15%前後になる。タフトは2つの売れ筋カテゴリーに含まれるから、好調に売れて当然だ。
軽自動車で重要なのは初期受注ではない
そのいっぽうで、軽自動車の発売後1カ月の受注台数は、本来の人気を反映していないことも多い。
軽自動車は生活のツールで、魅力的な新型車が発売されても、飛び付くように買うユーザーは少ないからだ。
今の新車需要は80~90%が乗り替えに基づき、日常的に使われる車種は、ムダを抑えるために車検期間の満了に合わせて購入される。
そうなると発売後1カ月の受注台数はあまり伸びなくても、魅力的な軽自動車であれば、時間を経過しても堅調に売れ続ける。愛車が車検期間を満了した時に、着実に乗り替えるからだ。
例えば先代型のN-BOXやタントは、現行型にフルモデルチェンジされるまで好調に売れて、国内販売ランキングの上位を守り続けた。
以上を踏まえると、タフトの人気動向はまだ分からないが、前述の通りハスラーと同じ売れ筋路線に乗っていることは確かだ。
タフトを購入するユーザーとは?
そこで販売店に、どのようなユーザーがタフトを選んでいるのか尋ねた。
「タフトでは、ムーヴ、タント、キャストアクティバなどからの乗り替えが目立つ。タントを使っていたお客様は、子育てを終えてスライドドアや高い天井が不要になり、SUV風の外観に魅力を感じてタフトに乗り替える」とコメント。
乗り替えのない新規車種のタフトについては以下のように続けた。
「ヴェゼルのような小型のSUVからダウンサイジングするお客様も見られる。タフトは実質的に新規投入車種だから、先代型からの乗り替えはなく、さまざまな車種が下取りされている」、という。
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