最近多いぞ車名の復活! タフト ロッキー スープラ…あの復活車たちのご先祖を巡る

 タフトやロッキーなど、直近ではダイハツで目立つ往年の車名の復活。

 当然、わざわざ復活させるくらいだから、その名を最初に冠したモデルが、名車でないはずがない。

 ではどんな名車だったのか、片岡英明氏のナビゲートで、その名を初めに冠した、偉大なご先祖さまたちを巡る旅に出かけよう(なかにはレクサスESのように、日本で別名で売られていたモデルが途絶えたから、というようなトリッキーな復活もあるが、そこらへんはあまり深く考えずにお楽しみいただきたい)。

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※本稿は2020年6月のものです
文:片岡英明/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年6月26日号


■ダイハツ 初代F10/20/50/60型 タフト 1974年(← 2代目タフト)

●新型からは想像もつかぬ硬派一直線のご先祖さま

超ゴリゴリの4駆である初代

 タフトは、1974年にデビューしたコンパクトサイズのクロスカントリー4WDだ。強靭なラダーフレームに4輪リーフスプリングのサスペンションを組み合わせ、駆動システムはハイ/ローふたつの副変速機を備えた4速MTを持つパートタイム4WDとしている。1Lのガソリンエンジンでスタートし、1978年には2.5Lのディーゼルを追加し、走行性能を大幅に高めた。

 悪路を走るための基本性能は高いが、幌ドアとバンに加えレジントップを設定するなど、レジャーユースを強く意識していた。これがほかのクロカンと違うところだ。軽自動車規格になって復活する最新のタフトとも重なる。2代目は4ドアで、ファッション性もグッと高まっている。

6月発売の2代目は軽クロスオーバーとして登場

・現行型を“100”とした場合のご先祖の偉大度…100

■ダイハツ 初代F300S型ロッキー 1990年(← 2代目ロッキー)

●直線基調のデザインは今見てもスタイリッシュ

後部のレジントップは、取り外すことで簡単にオープンにできる

 時代の先端を行く「ライト感覚の都会派オフロード4WD」が1990年5月に誕生したロッキーだ。スタイリングはオフロード4WD風味だが、ファッション性を高め、5ナンバー登録の4人乗りワゴンとした。フロント側は脱着式サンルーフ、リア側は脱着式レジントップの組み合わせで、キャンバストップになるオプションもある。後席の収納方法もユニークだ。

 エンジンは1.6L直列4気筒SOHCを搭載する。駆動方式は、なんと2種類を用意した。ひとつは電子制御アンチスピンブレーキとABSもセットにしたセンターデフロック付きフルタイム4WD。もうひとつは本格派の副変速機付きパートタイム4WDである。レカロシートもオプション設定するなど、気合が入っていた。現行の2代目復活モデルは、初代ほどマニアックじゃない。

初代同様5ナンバーサイズで登場した2代目。性格的にはかなりオンロード寄りになったが

・現行型を“100”とした場合のご先祖の偉大度…120

■トヨタ 初代A40/50型 セリカXX 1978年(← 5代目スープラ)

●角型4灯フェイスを持つ大人のための高級クーペ

伸びやかなロングノーズが美しい初代セリカXX(輸出名スープラ)。全車直6エンジン搭載

 スープラのご先祖は、北米で人気の高いフェアレディZ(280Z)に対抗するために開発され、1978年春にデビューしたセリカXXだ。ベースが2代目のA40系セリカだったからセリカXXになったが、海外ではスープラを名乗った。セリカの3ドアリフトバックのホイールベースを延ばし、長いボンネットの中に2Lと2.6Lの直列6気筒SOHCエンジンを積む。

 角型4灯式ヘッドライトを採用した端正なグリルからわかるように、上質な大人のラグジュアリークーペだった。が、1980年夏に5M-EU型直列6気筒エンジンを積む2800Gを投入し、サスペンションを4輪独立懸架にする。

 1986年に登場した第3世代からは日本でもスープラを名乗り、現行モデル同様の、パワフルなターボ搭載の高性能スペシャルティカーに生まれ変わった。

トヨタ スープラ

・現行型を“100”とした場合のご先祖の偉大度…50

■トヨタ VZV20型 カムリプロミネント 1988年(← レクサスES)

●北米のレクサス開業初期を支えた頑張り屋

トヨタ VZV20型 カムリプロミネント

 トヨタとしては早い時期にFF方式を採用したミドルクラスのファミリーカーがカムリだ。FFカムリの2代目は1986年8月に登場したが、1987年春にフラッグシップとして大人の雰囲気のカムリプロミネントを追加設定している。注目のパワーユニットは「レーザーα」と名付けた2Lの1VZ-FE型V型6気筒DOHCだ。

 1988年のマイナーチェンジでこのプロミネントにのみ4ドアハードトップが追加され、この4ドアハードトップが北米でレクサスESを名乗った。

 ESは上級モデルであるLSに似せられたフロントグリルとホイールが与えられ、よりラグジュアリーな雰囲気を持つ。エンジンは2.5LのV型6気筒を搭載した。

レクサスESといえば「日本名=ウィンダム」の印象があるが、初代ESは2代目カムリに設定されたプロミネント4ドアハードトップの北米版だった

・現行型を“100”とした場合のご先祖の偉大度…70

■日産 初代C120型サニーバネット/チェリーバネット 1978年(← NV200バネット)

●社会現象になったご先祖さま

日産 初代C120型サニーバネット/チェリーバネット(1978年)

 小型車サイズのなかで最大級の空間を狙った容積追求型のミニバンがNV200バネットだ。商用バンのほか、ワゴンを設定している。これをベースにした電気自動車のe-NV200もある。そんなNV200のご先祖が1978年秋に登場したチェリーバネットと兄弟車のサニーバネットだ。後にダットサンバネットも加わった。

 現行のNV200と同じように商用車が主役だが、2列目以降の居住スペースを改善し、快適性を高めたワゴンモデルも用意している。アウトドアブームの火付け役となったクルマで、日本で初めて回転対座シートも装備した。また、大開口の電動サンルーフや3速AT車なども採用し、注目を集めている。社会現象になるほど大きな役割を果たしたミニバンだ。

3代目以降はマツダからのOEMとなったため、日産自社製のバネットは15年ぶりの復活。まあ、驚くほど影が薄いが

・現行型を“100”とした場合のご先祖の偉大度…170

■ホンダ 初代AJ/AK/AR型シビックシャトル 1983年(← GK/GP系シャトル)

●フラットになるラゲッジなど、使い勝手バツグン

ホンダ 初代AJ/AK/AR型シビックシャトル(1983年)

 1983年9月、「ワンダーシビック」と呼ばれた3代目がベールを脱いだ。主役は3ドアハッチバックだが、10月に4ドアセダンと「シャトル」と呼ぶ5ドアのハイトワゴンを追加している。3ドアよりホイールベースは80mm長く、後席は広かったし、ラゲッジルームの使い勝手も優れていた。

 シャトルは1.5L直列4気筒CVCCエンジンを積み、駆動方式はFFだ。が、1984年秋にパートタイム4WDを追加した。驚かされるのはトランスミッションで、なんとスーパーロー付き5速MTだ。最終型でフルタイム4WDに進化し、1987年秋に4代目のグランドシビックが登場する。2代かぎりで終わったが、21世紀になってフィットをベースにしたシャトルが誕生した。

初代シビックシャトル→2代目、途中オルティア、エアウェイブを挟んでフィットシャトル→現行シャトルとなった

・現行型を“100”とした場合のご先祖の偉大度…180

■三菱 初代N10W/N20W RVR 1991年(← 3代目 RVR)

●250psを誇るスポーツモデルも用意されていた

三菱 初代N10W/N20W RVR(1991年)

 今につながるクロスオーバーSUVの先駆車が1991年に登場したRVRだ。「ライトデューティRV」をテーマに開発され、パッケージングはユニークだったし、走りの実力も高かった。ミニバンのシャリオを切り詰め、ドアは助手席側の後ろをスライドドアとした変則的な4ドアで、リアにはスペアタイヤを背負っている。後席は300mmのロングスライドが可能だ。

 エンジンは2L直列4気筒DOHCの4G63型を主役の座に据え、パワフルなターボも加わった。FF車もあるが、「売れ筋」はタフな走りを見せるフルタイム4WDだ。1990年代前半、スポーツギアを中心に、ヒットを飛ばしている。

 現行3代目モデルは名前以外に初代との共通項はないが、世界で最も売れている三菱車に成長した。

初代、2代目まではトールワゴンで現行3代目はSUV。初代と2代目にはあったスポーツグレードが用意されるといいね

・現行型を“100”とした場合のご先祖の偉大度…130

■スバル 初代KA7/KA8型 ジャスティ 1984年(← 5代目ジャスティ)

●「スバルらしさ」を全身から漂わせる偉大なご先祖

1987年には量産車世界初となるベルト式変速機「ECVT」搭載車を設定

 1980年代のスバル、軽自動車の上はいきなりレオーネだった。このギャップを埋めるために開発され、1984年に誕生したのがジャスティだ。直線基調のクリーンな3ドアと5ドアのハッチバックで、デビュー時は1Lの直列3気筒エンジンを搭載。当初は5速MTだけの設定だったが、1987年に時代に先駆けて電子制御無段変速機のECVTを加え、注目を集めている。

 駆動方式はFFとパートタイム4WDがあり、エンジンも1.2Lを追加した。ジャスティは10年以上も第一線で活躍し、1994年春にインプレッサに道を譲って勇退している。が、その後もスズキとダイハツからOEM供給を受け、スバル登録車のボトムを支え続けた。現行モデルはルーミーとタンクの兄弟ハイトワゴン。初代と比べるとスバルらしさは大幅に薄れている。

日本では2代目の現行も、海外向けを入れると5代目。ダイハツ・トールのOEM車だ

・現行型を“100”とした場合のご先祖の偉大度…150

■三菱 初代A150系 ミラージュ1978年(← 6代目 ミラージュ)

●8速として使用できる4速MTに驚かされた

欧州車的な雰囲気を醸し出すデザインも魅力のご先祖さまの姿

 ミラージュは三菱初のFF2ボックスカーとして1978年に誕生した。3ドアハッチバックのクリーンなデザインは海外でも評判がいい。ホイールベースを80mm伸ばした5ドアもキュートなデザインだ。エンジンは1.2Lと1.4Lに加え、1.6Lの直列4気筒が登場している。トランスミッションのハイライトはスーパーシフトと呼ばれる副変速機付きの4速MTだ。

 初代ミラージュは話題に欠かない。スーパーシフトに加え、クラス初のFF車用3速ATを設定している。また、このクラスに初めてターボ車を導入したのもミラージュだった。2012年夏に復活したが、これはタイで生産され、日本に送り出されているコンパクトハッチだ。デビュー時は1Lの3気筒エンジンを積んでいたが、現在は1.2Lになり、余裕を増している。

先代の5代目は2000年に販売終了ということで、現行6代目は12年ぶりの復活ということになる。4月の改良で外観が精悍になった

・現行型を“100”とした場合のご先祖の偉大度…150


【番外コラム】あの復活スポーツモデルの偉大度は?

「車名復活」といえばスポーツモデルも忘れてはならない存在。スープラは先に紹介しているので、ここでは86、GT-R、NSXの3車について「ご先祖の偉大度を100とした場合の、現行の偉大度」を片岡英明氏に聞いてみた。それが下の表だ。

 評価の理由として片岡氏は「GT-Rは登場から12年以上が経過しても一線級の実力を持っている。86は性能こそどんどん進化しているけど、AE86ほどのカリスマがない。NSXは重すぎる。初代ほど開発者の熱意も感じられない」とコメント。スポーツモデルの車名復活は、難しい要素が多いのだ。

トヨタ 86
日産 GT-R
ホンダ NSX

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