エンジン特性、ステアリング、ダンパーなどの「キャラ変」は面白い
パワートレインには、1.8Lボクサー直噴ターボ(177ps/300Nm)と、新型リニアトロニックが採用された。初代の1.6L直噴ターボに比べ、+7ps/+50Nmのパワーアップを果たしており、加速はより強く、なめらかになった。
ひとたびアクセルペダルを踏めば、パワフルなエンジンサウンドも聞こえるが、クルマの静粛性が向上しているので、軽く踏んでいればエンジン音も極小さく、上質な雰囲気を感じられるまでになる。
燃費はJC08モードで16.6km/L(18インチは16.5km/L)と、旧型(16.0km/L)よりは改善してはいるが、フルハイブリッド全盛の時代に、このエンジンのみだと心許ない。e-BOXERを超えるハイブリッドシステムの導入が期待されるところだ。
また、最上級グレードとなるSTIスポーツには、エンジンレスポンスやステアリング特性、AWDシステム、そして新採用の可変ダンパーによる、「走りのキャラ変」を可能にする仕掛けがある。
スバルによると、「WRX STI並のスポーツ性から、高級車の乗り心地まで、幅の広い変化を楽しめる」というが、ベースグレードの走りでも十分に満足感が得られるため、正直なところ、走行モードを変えずとも、ずっと走っていたくなる感覚ではあった。
新型ステレオカメラ搭載によるアイサイトXはもはや無敵
アイサイトも、最新型の「アイサイトX」に進化している。準天頂衛星やGPSの情報、3D高精度地図データを利用した、自動車専用道路での先進運転支援は「お見事」のひとことだ。
コーナー前での自動減速や、アクティブレーンチェンジアシスト、50km/h以下での渋滞時ハンズオフアシスト、料金所前速度制御(25km/h程度まで自動減速)、そして渋滞時の自動再発進も備わる(待機時間は10分とのこと)。
また、ドライバーを常時モニタリングする「ドライバー異常時対応システム」は、万が一、ドライバーが走行中に気を失ってしまった場合に、車内にアラームが鳴り、外部にはハザードとクラクションで危険を知らせ、そして最終的には、完全停止まで行ってくれる。
どの機能も体験させていただいたが、クルマに守られている感覚を強く感じ、安心して乗っていられる、と感じた。人の不注意で起きる事故は多々あるなかで、リスクをここまで技術でカバーしてもらえることには、大変頼もしく感じた。
このアイサイトXでは、「レベル3に近い自動運転」が実現されており、おそらく、現時点での最高品質の先進安全装備だ。どのメーカーも、「レベル3以上の自動運転」に限りなく近づけるよう、先進安全技術の研究開発を進めているなかではあるが、このような先進装備を300万円台の量販車にもいち早く採用してきたのは、安全性を重視するスバルならではだ。
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