ここ1年間は日産キックスなど、SUVを中心に新しい車名を持つブランニューのモデルや、ヴィッツの後継車となるヤリスなど車名の変更を伴うフルモデルチェンジが多かった。
その反面でそういったクルマたちとは対照的に、長年続いたモデルも含め後継車もなく消滅したものも多く、ここではその原因を端的に考察していく。
文:永田恵一/写真:TOYOTA、LEXUS、NISSAN、HONDA、MITSUBISHI、DAIHATSU
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トヨタマークX(2009~2012年)
1980年代後半から1990年代後半にかけて一世を風靡したマークII三兄弟の後継車となるマークXは、プラットホームなどに古さは否めなかったものの、FR+V6エンジンというプレミアムなパッケージで、「2.5Lなら車両価格約300万円」という商品性はクルマ好きには魅力的だった。
しかし2010年代に入り、車両価格300万円から350万円で買えるクルマはプリウスに代表されるハイブリッドカーやVWゴルフなどのミドルクラスの輸入車、しばらく前までマークXと同じくトヨペット店専売だったSUVのハリアーなど、選択肢が非常に多くなった。
その中でマークXは燃費がいいとは言えないうえに、一般ユーザーには魅力がわかりにくいのも事実で、販売台数も減少。
グローバルセダンのカムリの好調もあり、残念だが絶版に追い込まれてしまった。
トヨタエスティマ(2006~2019年)
FFレイアウトとなった2代目モデル以降、ほどほどの全高のラージミニバンのエスティマはトヨタにとってドル箱的な存在だった時期も長かった。
しかし、2000年代後半から3代目と4代目のオデッセイのような全高が高くないミニバンの需要に陰りが見え始めたのに続き、その傾向は2010年代に入るとエスティマのようなほどほどの全高のミニバンにも波及。
近年ミニバンは、ミドルクラスのヴォクシー三兄弟やラージクラスのアルファード&ヴェルファイアのような車内の広い全高の高いものが全盛となっている。
この状況下でエスティマは2016年にビッグマイナーチェンジを行い、根強く売れたものの、次期モデルを開発できるほどではなかった。
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