ホンダグレイス(2014~2020年)
先代フィットベースのコンパクト4ドアセダンであるグレイスは悪いクルマではないものの、強い魅力もなく、その割に価格が安いわけでもないと、販売低調も理解できた。
グレイスはもともと新興国向けコンパクト4ドアセダンのシティを日本生産の日本仕様としたものだったのだが、昨年フルモデルチェンジされたシティは全幅を日本では3ナンバーとなる1750mmに拡大。
これではコンパクト4ドアセダンでもないため日本では売りにくく、絶版も順当な決断だ。
シビック4ドアセダン(2017~2020年)
2017年にカタログモデルとしては7年ぶりに日本で復活した現行シビックは、英国からの輸入となる5ドアハッチバックとタイプR、日本生産の4ドアセダンというラインナップだった。
シビックの4ドアセダンも悪いクルマではないものの、強い魅力に欠けた。
さらに若干高いものの5ドアハッチバックのほうが新鮮なのに加え、ダンパーなどの違いで乗り心地などがよく、MT設定もあり、タイプR以外のシビックを買うユーザーが「どうせ買うなら5ドアハッチバック」と考えるのは当然で、4ドアセダンは売れず。
絶版はよくわかるのだが、2020年7月に絶版となるシビックの4ドアセダンが、半年前の1月にマイナーチェンジされていたことにも驚く。
ただジェイド、グレイス、シビックの4ドアセダンは、「ホンダの寄居工場の稼働率を上げるため」という理由もあり、登場したところがあった。
そのため3台の絶版が「魅力的なクルマを寄居工場で造るため」という前向きなものになることを期待したい。
三菱パジェロ(2006~2019年)
パジェロは昭和の最後から平成初期にかけて、高額車ながら爆発的に売れたクロカンSUVだった。
パジェロが売れなくなった理由は三菱自動車のブランドイメージの低下、最後となった4代目パジェロの基本設計は1999年登場の3代目モデルという古さ、ライバルとなるランドクルーザープラドの台頭などいくらでも浮かび、絶版もやむを得ない。
ただ三菱自動車はパジェロに近いSUVとしてなかなか魅力的なパジェロスポーツを海外では販売しているので、パジェロの後継車という意味も含め日本にも導入してほしい。
ダイハツキャストスポーツ(2015~2020年)
2015年登場のキャストは標準のスタイルがホンダN-ONE、スポーツがN-ONEやスズキアルトRS&ワークスといった軽乗用車のスポーツモデル、クロスオーバーのアクティバがスズキハスラーをターゲットにしていた。
つまり1台でジャンルの違うライバル車に挑んだモデルだったのだ。
キャストは現在スタイルを継続し、アクティバは絶版になったもののタフトという実質的な後継車があるのに対し、スポーツだけはアクティバと同時に後継車なく絶版となってしまった。
キャストスポーツが絶版となった理由としてはN-ONEのスポーツモデルに対しては全体的に本家に及ばず、アルトのスポーツモデルに対してはピリリとしたスポーツ性が勝負にならずと、まとめればターゲットに対するアドバンテージがなかったからだろう。
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