日野プロフィア、ふそうスーパーグレート、UDクオン、いすゞギガ。日本を代表する大型トラックだ。その4台が、2016〜2017年に歴史的な一斉フルモデルチェンジをはたした。
弊社のトラック担当に聞いたところ、「こんなことはもう2度と起こらないかもしれません! すごいことなんです!!」と大興奮していたが、確かに例えばクラウンと、フーガ、アテンザ、レジェンドが同時にフルモデルチェンジすれば、それはクルマ好きも大騒ぎになるかもしれない。やはりこれは大事件なのだろう。
ということで、本企画はそれを記念してのミニ特集。各トラックの特徴をざざっと紹介してみたい。
文:ベストカー編集部
ベストカー2017年10月10日号より
■日野プロフィア 次世代を担う最先端トラック
プロフィアは日野を代表する次世代大型トラック。しかしながら、近年重要視される経済性を実現するためにダウンサイジングをはたした2段過給ターボに、フリクションロスを徹底的に低減した9Lエンジンを組み合わせ、さらにボディの軽量化を進めて積載量を400kgも向上させている。
いずれも環境面でもいい結果を生み出し、日野がかねて提唱してきた環境保護のキーワード「エアループ」をまさに地で行っている。
外観はご覧のように、アルファード/ヴェルファイアもびっくりの大型メッキグリルが与えられ、可変配光型LEDランプが前方に睨みを利かせている。
また最新モデルだけあり、前端左右の面取り、空力を考えた細部の作りになっているのだという。
「一クルマファン」からしてみると「今までのトラックとどこが違うの」、と悲しく思ってしまうが、ボディの隙間をウイング形状のパネルでカバーするなどトラックファンからすれば、マニアを唸らせるような作りになっているそうだ(じっくり写真を見てね)。
また安全装備も抜かりなし。一番下のグリル中央にはミリ波レーダー、フロントガラス下には画像センサーを装備して、停止車両や歩行者を感知して衝突回避を支援してくれる。
そのほか車両のふらつき警報やドライバーモニターなど安全運転を支援してくれるハイテク装備満載仕様となっている。
■三菱ふそうスーパーグレート 磨き抜かれたテクノロジー
2017年5月、なんと21年ぶりにフルモデルチェンジされた三菱ふそうの大型トラック。
最新モデルだけあり新型の直6はダウンサイジングされ、7.7Lと10.7LL、2つの排気量が用意されている。もちろんボディの軽量化もめざましく、リミテッドウイングエコプラス仕様では従来比最大15%の燃費向上をはたしている。
安全面では運転管理システム「トラックコネクト」を標準装備しているところに注目したい。
これは通信技術を駆使して、物流事業全体の効率や輸送品質の向上、ドライバーの負担軽減に貢献してくれるもので、乗用車のカーコネクトの一歩先をいっているシステムといえるだろう。そういう意味では「トラック業界凄いa」とクルマファンは驚いてしまうわけだ。
またドライバーの負担軽減は「トラックコネクト」だけにとどまらず、12AMTのシフトパイロットは、ステアリングコラムから伸びたコントローラーのダイヤルスイッチを操作するだけで、ドライバーは2ペダルの快適な運転ができるようになっている。
外観の特徴は上級仕様に標準装備されたLEDライト。写真のカタログ車ではサイドアンダーもフルカバーされ、空力を考慮してウイングカーゴ後端部分を絞り込んでいるのが見てとれる。
また今回のモデルチェンジでは多くの部分でダイムラートラックの技術や採用部品の共用化が進められたのも大きな特徴となっている。
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