カローラにひと泡吹かせたマツダファミリアは現在マツダ3
マツダ3のご先祖であるファミリアも、一時はカローラにひと泡ふかせる健闘を見せている。
ファミリアがトヨタを打っちゃって人々を驚かせたのは、1980年に登場し、FF車に生まれ変わった4代目の時だ。ウエッジシェイプのシャープなデザインの3ドアハッチバックは秀逸なデザインだった。
これを主役に据え、上級グレードに爽快な電動サンルーフや快適なラウンジシートを採用したから若者は飛びつき、デートカーの主役となっている。ゴルフを徹底的に分析し、走りもよかったから爆発的に売れ、ライバルを慌てさせた。
FFファミリアは2年足らずの間に50万台を生産し、カローラとVWゴルフに続く、生産台数を記録している。
日本では一瞬であるが、カローラからトップの座を奪った。トヨタが慌ててカローラIIやカローラFXを送り込むほどの衝撃を与えたのである。
次の5代目では日本初のフルタイム4WDやパワフルなDOHCターボも投入。ファミリアはスポーティ度の高い走りのよさが光るコンパクトカーだった。
だが、1990年代になるとデザインなどにフォード色が強くなり、戦略もコロコロ変わったから、ヤング層は離れ、迷走した。
累計生産1000万台を達成した7代目のファミリアネオは、デザインも個性的すぎたためにファンは離れていく。販売は大きく落ち込んだから2003年に第一線を退き、アクセラに活躍の場を譲った。サニーと同じように自滅したのである。
ホンダシビックは海外を優先した大型化で失敗
1970年代に誕生し、カローラのライバルに成長したのがホンダのシビックだ。ライバルに先駆けてFF2ボックススタイルを確立し、使い勝手のいいハッチバックも送り出した。
初代モデルはクリーンなCVCCエンジンで注目を集め、1983年に登場した3代目のワンダーシビックはキュートなルックスと気持ちいい走りを武器に好調な販売を記録している。また、5ドアのレジャービークル、シャトルもアウトドア派を中心に持てはやされた。
が、シビックの主役は3ドアのハッチバックだ。1990年代になってから4ドアセダンも知名度を高めたが、その販売台数はカローラの足元にも及ばない。
2000年に第7世代にバトンを託し、パッケージングの革新を行っている。キャビンは広く快適だったが、野暮ったいデザインがホンダ党好みじゃなかった。タイプRも設定したが、初代ほど尖っていなかったため、ファンは購入を見送っている。
翌年に出したフィットはシビックの伝統の香りを感じさせたし、ボディサイズも最適だったので、多くの人はシビックではなくフィットになびいている。
2005年に8代目が登場したが、ハッチバックは消滅し、セダンのハイブリッド車と硬派のタイプRを主役とした。が、大きくなったボディに抵抗感を持つファンが多かったから存在感を失い、日本での販売を休止する。
その後はタイプRをスポット的に投入し、2017年夏に久しぶりにシビックを復活させた。
だが、海外市場を優先して肥大化したボディに嫌悪感を持つ人が多く、ハイブリッド車も設定していないから販売は今一歩にとどまり、2020年8月をもって日本向けのセダンの生産を中止してしまった。
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