日産のLクラスミニバンのエルグランドが2020年10月にフロントマスクを大幅に変更するビッグマイナーチェンジを受けた。
現行のエルグランドは2010年のデビューだから、10年目での初の大幅テコ入れだ。
エルグランドは日産のビッグネームゆえ、ビッグマイチェンに対する注目度は高かったのだが、その後話題に上らなくなっている。
ビッグマイチェンを敢行したエルグランドの販売動向について、渡辺陽一郎氏が考察する。
文/渡辺陽一郎、写真/NISSAN、TOYOTA、HONDA
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マイチェン前のエルグランドの販売はアルファードの10分の1以下
最近はアルファードが絶好調に売れている。2020年10月には、1カ月の登録台数が1万台を突破した。以前からアルファードは、存在感の強いフロントマスク、上質な内装、多人数乗車に適する広くて快適な室内空間などにより、好調に売れていた。
しかも2020年5月以降は、全国のトヨタ系販売店で、トヨタの全車を購入可能になった(それまではトヨペット店のみ)。人気車のアルファードは売れ行きをさらに伸ばし、逆に姉妹車のヴェルファイアは需要を奪われ、明暗を分けている。
アルファードの競争相手として、エルグランドも気になる存在だ。
日産の最上級ミニバンとされ、1997年に発売された初代エルグランドは、発売当初には1カ月平均で4000~5000台を登録した。価格の高いLサイズミニバンでありながら、今のセレナと同等か、それ以上の売れ行きであった。
初代エルグランドにはトヨタも苦戦して、グランビアとその姉妹車で立ち向かったが、販売面で勝てない。そこで渾身の初代アルファードを開発した経緯がある。
従ってエルグランドの知名度は今でも高い。アルファードが好調に売れると聞けば、「エルグランドはどうした?」という話になる。
そこでエルグランドの登録台数を見ると、かなり苦戦している。コロナ禍の影響を受ける前の2019年でも、1カ月平均が561台であった。アルファードは5725台だったので、エルグランドの売れ行きは10%以下だ。
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