ルークス&eKスペースは流行りの2大軽SUVより何が優れている?
単刀直入に言うと、同車においてもっとも注目すべき部分は先進安全装備。そして、筆者がK CAR・オブ・ザ・イヤーに同車を推した理由もそこにある。
後席のニールームがライバル(ホンダ「N-BOX」やダイハツ「タント」、スズキ「スペーシア」などスーパーハイトワゴン各車)よりも広いとか、リアシートのスライド量が多い。
さらに、後席スライドドアの開口幅(最大部)が650mmとクラス最大の広さで、上級グレードにはドア下で足を動かすことによってハンズフリーでスライドドアを動かす機能がついていて、それを左右両側に備えて「開ける」と「閉める」の両方できるのはクラス唯一とか、実用性のアドバンテージも多い。
しかし、筆者と同様に、多くの選考委員がK CAR・オブ・ザ・イヤーに同車を推した理由もそこではないだろう。
では、採用された先進安全装備のどこが凄いのか?
ひとことでいえば、軽自動車の水準を大きく超えているから。日産自動車の普通車と同じ水準を搭載していて、それは他の自動車メーカーに比べても性能の高さに定評がある。
たとえば、レーダーを使った前方予測機能。前を走るクルマでなく「その前(自車からいうと2台前)を走るクルマ」の動きまでチェック。
そのクルマが減速をして自車がブレーキを掛ける必要があると判断すると、前のクルマが減速をはじめる前のタイミングであっても音と表示でドライバーへ警報を送って注意喚起し、ドライバーがいちはやく反応できる環境を作り、玉突き事故などを回避するのだ。
これができる軽自動車は同車と、同車のデビュー後に安全システムがバージョンアップされたハイトワゴンの日産デイズ&三菱eKクロス/eKワゴンしかない。
もちろん、高性能レーダーを組み合わせたこともあり、日産ルークス&三菱eKクロススペース/eKスペースは、衝突被害軽減ブレーキの性能も従来の軽自動車のレベルを超える高水準。このクルマに乗ることで実際に事故を防げたケースも出てくることだろう。
「軽だからといって安全が劣ってもいいわけではない」
クルマは安全性がなによりも重要だからこそ、昨今のカー・オブ・ザ・イヤーは安全性能が重要視される傾向が強い。そして、軽自動車だからといって安全性能が劣ってもいいわけではない。
「多くの人の足として使われるクルマだからこそ、先進安全性能は充実しているべきだ」
軽自動車ユーザーの多くはそう考えているだろうし、選考委員もそう考えている人が多い。だから、今年のK CAR・オブ・ザ・イヤーは安全性能で軽自動車に新基準を作り上げた日産ルークス&三菱eKクロススペース/eKスペースが選ばれたのだ。
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