名門ブルーバード後継「シルフィ」生産終了と次期型の行方

名門ブルーバード後継「シルフィ」生産終了と次期型の行方

 日産屈指の名門車「ブルーバード」の系譜をひくミドルセダン「シルフィ」の生産終了を日産が公表。海外では発売されているスタイリッシュな新型は日本に導入せず?

 そして、このまま国内向けのシルフィは絶版となるのか? 販売現場の声も含め、日産の名門車の今とこれからを追った。

文/渡辺陽一郎、写真/日産

【画像ギャラリー】日産名門車 ブルーバードからシルフィまでの歴代車をイッキにみる


「シルフィを継続させる話は聞いていない」

日産シルフィは、2020年9月に生産終了していた(販売時期:2012年-2020年)
日産シルフィは、2020年9月に生産終了していた(販売時期:2012年-2020年)

 先般、日産シルフィが生産を終える趣旨の報道があった。日産によると「生産は2020年9月に終了しているが、公式ホームページなどではアナウンスしていない」とのことだ。

 日産の販売店ではどのように受け止めているのか、今後の動向も含めて問い合わせると以下の返答であった。

「生産はすでに終了しており、少数の在庫車が残っている程度だ。シルフィは従来型(ブルーバードシルフィ)の保有台数が相応にあって、乗り替えを希望されるお客様もいるが、今後継続させる話はメーカーから聞いていない」

「シルフィは現行型が3ナンバー車になって売れ行きを下げた。今後、新型車が登場するとしても、セダンではなく人気の高いSUVだと思う」

ブルーバード時代から数えて通算11代目となる初代ブルーバードシルフィ(販売時期:2000年-2005年)
ブルーバード時代から数えて通算11代目となる初代ブルーバードシルフィ(販売時期:2000年-2005年)

 最初のシルフィは、2000年に「ブルーバードシルフィ」の車名で発売された。当時はブルーバードも併売され、ブルーバードシルフィはホイールベース(前輪と後輪の間隔)などをサニーと共通化したコンパクトな上級セダンとして企画された。

 ブルーバードは2001年に生産を終えたが、ブルーバードシルフィは堅調に売れて、2002年の時点でも1か月に約2700台が登録されている。1998年に発売された最終型の9代目サニーが1か月平均で約4100台だから、ブルーバードシルフィも堅調な売れ方であった。

2005年にフルモデルチェンジした2代目(通算12代目)ブルーバードシルフィ(販売時期:2005年-2012年 )
2005年にフルモデルチェンジした2代目(通算12代目)ブルーバードシルフィ(販売時期:2005年-2012年 )

 この後2005年にフルモデルチェンジを行い、ホイールベースを2700mmまで伸ばすことで、5ナンバーサイズのセダンとしては最大級の室内空間を確保した。特に後席は、Lサイズセダン並みに広い。

 運転しやすく、4名乗車も快適なことから、フォーマルなセダンボディと併せてビジネスの用途でも人気を高めた。2006年には、1か月に2000~3000台が登録されている。

次ページは : ブルーバードの冠がとれた現行型はセダン低迷もあり苦戦

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

不死鳥のごとく蘇る! トヨタS-FR開発計画は再開していた! ドリキンこそレジェンドの土屋圭市さんがトヨタのネオクラシックを一気試乗! GWをより楽しく過ごす情報も満載なベストカー5月26日号、堂々発売中!