ハヤブサ3は果たしてどんなコンセプトで登場するのか?
ハヤブサは1990年代末のスーパースポーツモデルの技術を基礎に開発されており、当時750ccだったGSX-Rの上限を取り払って300km/hオーバーを目指した。
ライバルであるカワサキやホンダのモデルはハイスピードツアラーと言えるものだったが、ハヤブサは「アルティメットスポーツ」を標榜。GSX-R譲りの高剛性アルミ製ツインチューブフレームや高性能サイドカムチェーン方式の並列4気筒エンジンを採用した。
つまりは”デカい”スーパースポーツという内容で、この割り切ったコンセプトがプラスに働いた。1990年前後のブーム期にレーサーレプリカバイクに乗っていた世代が、大型バイクにステップアップした際の受け皿として人気となったのだ。
これは現在に至るまで変わることのないハヤブサの魅力の根源で、ハヤブサ3に進化する際も貫かれるだろう。
そしてハヤブサ3の内容は、制御系に力を入れてくると予想される。お手本となるのはスズキのVストロームで、ハヤブサと同様エンジンなどの基本装備を踏襲しながら、外観や制御をアップデートし続けて成功しているのだ。
2020年型のVストローム1050XTは、スズキインテリジェントライドシステム(S.I.R.S)を新たに搭載し、走行状況に応じたABSの調整や坂道発進のサポート、後輪の空転防止機能、クルーズコントロールなど安全性や快適性に直結する機能を満載している。
これらは、ハヤブサに盛り込まれてきていない装備なので、ハヤブサ3での採用が大いに期待ができそう。一方で、エンジンやフレームといったこれまでのハヤブサのプラットフォームは従来型を踏襲すると予想される。
ライバル・カワサキのZX-14RとH2が国内終了で、ハヤブサ3は孤高の存在に?
2001年に300km/hリミッターが装着されるようになった後も、カワサキはハヤブサに対抗するモデルを出し続け、現行のニンジャZX-14Rではついに排気量が1441ccにまで拡大された。
ハヤブサを100ccも上回る排気量で、リミッターさえなければ間違いなくトップスピードは上回っているだろう。だが、そんなZX-14Rもリベンジを果たせぬまま2020年型を最後に国内での販売が終了してしまった。
さらにカワサキはZX-14Rの代替モデルとして、1000ccのスーパーチャージドエンジンを搭載したH2シリーズに力を入れており、ダウンサイジングに舵を切っていた。2018年8月には、公道モデルのニンジャH2がボンネビルスピードウィークで337km/hの世界最速記録(P-PB 1000クラス)を達成している。
これは、かつてハヤブサが記録した最高速を優に上回っており、カワサキとして最高速争いに決着をつけた形だ。そして、このニンジャH2も2021年モデルを最後に国内の販売を終了することが決まっている。
そんな折りに登場が予想されるハヤブサ3は、ライバル不在の孤高の存在になる流れだ。時は経ち最高速という性能指標は今や語られることはほとんどなく、ハヤブサ3においても最高速に力が入れられることはないだろう。
それでも、ハヤブサの存在意義が薄れる事はない。サーキットでのスポーツ走行もツーリングも楽しめる懐の広さに加え、最新の電子制御で安全性や快適性が向上すれば、ハヤブサの持つ魅力がさらに深まるはず。2021年には、そんなハヤブサ3が出てくると予想するが、果たして!?
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