2020年11月12日、フォルクスワーゲン(VW)が開催する「メディア対抗エコラン試乗会」が開催された。東京から長野までの約200kmの燃費を、ベストカー、カートップ、モーターファンの3誌で争うものだ。仕様モデルはちょうど1年前に日本導入されたVWの最小SUV「T-Cross」。
ベストカーのドライバーは去年レスポンスから出場して圧勝した岡本幸一郎氏。コレは優勝間違いなし、たまたまだがナイス人選!
…とここまでは完璧だったのだが、結果は惨敗。以降、岡本氏のレポートという名の反省文を掲載させていただく。
■VWの最も小さなコンパクトSUV「T-Cross(ティークロス)」の注目ポイント
・「MQB」の採用で、コンパクトなSUVに広い室内空間と荷室スペースを実現。
・スクエアで力強いエクステリアと、広々として柔軟性を備えたインテリア。
・個性を出せる「デザインパッケージ」(オプション)の採用により、内外装の組み合わせは実に21バリエーション。
・上級モデルに匹敵する先進安全・快適装備を採用し、高い安全性と快適性を実現。
・俊敏な走りと優れた燃費性能を両立。
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※本稿は2020年11月のものです
文/岡本幸一郎、撮影/平野 学
初出:『ベストカー』 2020年12月26日号
■東京→長野 計200kmの燃費は22.2km/L でもまだまだいけたハズ!??
完敗だ……! ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ年に一度のイベントだが、今回は3台中で3位に甘んじた。
今回のゴールは諏訪湖畔。3人乗車で22.2km/L。けっして悪くない数字だけど、ライバルチームはさらに上回った。
当日はVW日本法人の拠点である東京御殿山で編集担当氏がクルマを受け取り、いざスタート。
ただし、どうやら編集担当氏は「実走燃費を競う」という企画の主旨をよく理解していなかったらしく、「通り道だから迎えに行きますよ」との言葉どおり、岡本は自宅待機。
しかも担当氏はウチまで首都高速を使わず一般道を走ってきた。ダメじゃん……。さらに最寄り駅で合流したカメラマンは、昔はイケメン、今は重量級のH氏。出だしから不利な条件がそろってしまった……。
この時点で燃費の表示は13.7km/L。挽回するのは至難の業。
しかもレギュレーションが改定されて、去年どれくらい効果があったのかわからないけど、僕が実践した、靴を脱いで素足での繊細なアクセルコントロールや、あおり運転とならない程度にトラックのスリップストリームを使うのはNGと明記された。今年も使いたかったのになー……(笑)。
諏訪湖に向かうには何通りものルートが考えられるところ、首都高速でいったん都心側にもどって中央道を目指すことに。
八王子でちょうど20km/Lまで伸ばしたけど、中央道というと、山梨と長野の県境近くに「最高標高点1015m」の看板があるとおり、要するに都内から下ると全体としてはけっこうな上り勾配だ。
まあライバルも条件は同じなんだから、出だしでつまずいても、まだまだ挽回の余地はあるはず。車速は70km/h上限を目安に、登坂車線も利用しつつ、できるだけ燃費が伸びるようにせいいっぱい心がけて走る。
そして途中、ピークでは23km/L近くまで伸びたものの、最終的には「2」のゾロ目にとどまった。自分としてはがんばったつもりだったんだけどねー……。
言い訳だけど、合流した時点で挽回するのは難しい状況だったと思う。編集担当氏と岡本と荷物で約130kgで、カメラマン+機材でプラス100kgは確実。1Lのエンジンでそれはキツイ……。
さらには都内を抜けるまで思いがけず事故渋滞にも見舞われたのももちろんマイナス要因。
さらにさらに、エアコンONで外気導入が必須と聞いていたんだけど、正しくは窓を開けて換気でもOKとのことで、まあ気温が高くも低くもなかったので大きな影響はなかったにせよ、いくらかマイナスに作用したことには違いない。
あと、なぜか大きな勘違いをしていて、よく確認せず7速よりDレンジのほうが有利と思い込んでDレンジ固定で走ったのもおそらくよくなかった。
あれでマイナス0.7ぐらい、それでマイナス0.5ぐらい、これでマイナス0.3ぐらい……とチリツモでこの結果。そのあたりをちゃんとやっていれば充分に勝算はあったはずだ。来年は絶対リベンジするぞ!
(TEXT/岡本幸一郎)
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