トヨタシーポッド発売! 45万円の中国製超小型EVに勝てるか?

トヨタシーポッド発売! 45万円の中国製超小型EVに勝てるか?

 日本では脱炭素社会を目指して、政府は「2030年半ばでの脱ガソリン車」という目標を打ち出した。

 これに呼応して、トヨタは2020年12月25日に2019年の東京モーターショーで出展していた「超小型EV」を、量産EV「C+pod(シーポッド)として発売した。価格は165万~171万6000円、限定的ながら企業や自治体への限定販売を開始した。

 2022年には個人向けにも販売予定とされ、これまで政府を中心に実証実験が進められてきた「超小型モビリティ」の普及がようやく現実味を帯びてきた。

 ここではシーポッドの中身を紹介しつつ、果たして超小型EV(電気自動車)の時代はやって来るのか、これまでの経緯を含め、モータージャーナリストの岩尾信哉氏が解説する。

文/岩尾信哉
写真/トヨタ 日産 ホンダ モンスタースポーツ

【画像ギャラリー】写真全26枚! 新時代を駆ける超小型モビリティに目が離せない!!


超小型モビリティとは何か?

2020年12月、トヨタが法人ユーザーや自治体向けに販売を開始した超小型EVのC+pod(シーポッド)。個人向けの販売は2022年に開始する見込み
2020年12月、トヨタが法人ユーザーや自治体向けに販売を開始した超小型EVのC+pod(シーポッド)。個人向けの販売は2022年に開始する見込み

 まずは「超小型モビリティ」とはどのようなものか?

 国土交通省によれば「自動車よりもコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な移動の足となる1~2人乗り程度の車両」とされ、これまで日本各地で実用化を目指して実証実験が実施されてきた。

 今回販売台数と対象を限定しているとはいえ、市販が開始された「超小型モビリティ」対象車両は、2020年9月に国土交通省が道路運送車両法の施行規則を改正して、2人乗りの小型電気自動車(EV)を軽自動車の一種と正式に区分したことで販売が可能になった(以下、国交省発表資料から抜粋)。


■1超小型モビリティの区分
 超小型モビリティは、その大きさや定格出力に応じて、3つの区分(第一種原動機付自転車、いわゆる“原付”)、軽自動車(型式指定車)、軽自動車(認定車)に分かれている。

国土交通省「超小型モビリティ」のホームページ


●第一種原動機付自転車(ミニカー):コムス(トヨタ車体)
 第一種原動機付自転車の満たすべき定格出力・大きさ等を満たしているもの。


●超小型モビリティ(型式指定車):トヨタシーポッド
 原動機付自転車の大きさ以下の軽自動車であり、最高速度60km/h以下の自動車のうち、高速道路または自動車専用道路を運行しないものが該当。最高速度60km/h以下の車両であることを車両後面の見やすい位置に表示する必要がある。


●超小型モビリティ(認定車):タジマ・ジャイアン
 国土交通省の認定制度によって認定されたもの。大きさ、性能に対する条件のほか、(1)高速道路等は運行しないこと、(2)交通の安全と円滑を図るための措置を講じた場所において運行すること等の条件を付すことで公道走行が可能。


■2:認定制度
 国土交通省は超小型モビリティについて、公道走行を可能とする認定制度を2013(平成25)年1月に創設した。

 この制度は超小型モビリティについて、安全確保を最優先に考え、(1)高速道路等は走行しないこと、(2)交通の安全と円滑を図るための措置を講じた場所において運行すること等を条件に、大きさ、性能等に関して一定の条件を付すことで、安全・環境性能が低下しない範囲で一部の基準を緩和し、走行区域を限定して、公道走行を可能とするものとする。


■3:補助制度
(1)超小型モビリティ
国土交通省では、公募を実施している「地域交通グリーン化事業」において、地域・事業者間の連携などによる認定制度を活用した超小型モビリティの導入を支援している。

 支援の内容として、車両の導入には車両本体価格の1/3、充電設備の導入には導入費用の1/3の補助を設定している。

 (2)(1)以外の超小型モビリティ
経済産業省では、「CEV補助金」(クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金)において、超小型モビリティ(認定車)以外の購入を支援している。

次ページは : 超小型モビリティとしての「C+pod」

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