モンスター田嶋が手がけた小型EV「ジャイアン」
一方、メーカー系以外の超小型モビリティを見ると、出光興産のTVCMで見かけた方も多いだろうが、おなじみ“モンスター田嶋”こと田嶋伸博氏率いる「タジマEV」が販売しているのが小型EV「ジャイアン」がある。
米国で開催されている「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」への挑戦で知られる氏が、EVレーサーの開発製作の経験などを活かして生み出された「ジャイアンEV」だ。
2名乗車のボディ骨格をスペースフレームで構成。リチウムイオン・バッテリー搭載してモーターで後輪を駆動する方式を採る。
これまでは超小型モビリティの認定車だったが、今後は仕様として「型式指定車」として認定も可能なので、どのようにビジネスを展開していくか注目したい。
■タジマ・ジャイアン (認定車)
全長×全幅×全高:2545×1290×1570mm
ホイールベース:1800mm
サスペンション:マクファーソン・ストラット、トレーリングアーム
ブレーキ:前後ディスク
最小回転半径:─
駆動方式:後輪駆動
モーター出力:7.5kW
最大トルク:─
バッテリー:リチウムイオン
容量:10kWh
乗車定員:2名
車重:630kg
最高速度:45km/h
一充電走行距離(30km/h):約130km
充電時間:6~8時間
価格:174万9000円
安さが圧倒的な中国製「宏光MINI EV」
ここからは中国政府の支援を受けて普及が進められている「新エネルギー車」として、米ゼネラル・モーターズ(GM)と中国・上海汽車の合弁メーカーである上汽通用五菱汽車が発売した小型EV「宏光MINI EV」を見てみたい。
なにしろ販売価格が45万円程度なので、日本でSNSなどで話題になっているようで、2020年7月末に発売されて以来好調な販売を示し、同年11月では販売台数が約3万台と米テスラモーターズのモデル3を抜いて中国の新エネルギー車として1位を獲得した。
メーカーでは宏光ミニEVを「代歩車(足代わりの車)」と表現して、4人乗りコンパクトカーとして、農村市場を意識したという仕立てだ。安全面ではABSなどを標準装備するという程度で脆弱だが、なんといっても魅力的に映るのはその価格。
ベースグレードは電池容量:9.3kWhとして2万8800元(約45万円)、ヒーター付きの中級グレードで3万2800元(約51万円)、13.9kWhの上級グレードで3万8800(約60万円)となっている。
ただし、話の腰を折るようで恐縮だが、宏光MINIEVは中国から並行輸入で日本に持ち込んでも、残念ながら公道を走れない。
並行輸入できても公道で走れない理由としては、中国は自動車の保安/技術基準などに関する多国間協定に批准していないため、日本国内では登録できないことがある。
すなわち、技術基準適合証明(欧州でのCOCペーパーと呼ばれる書類認定)など基準適合の要件を満たさなければならず、さらに関税や認証の手続きに多くの手間がかかり、手数料もかさむことは容易に想像がつく。
たとえば、愛知県名古屋市の並行輸入会社のオートリーゼンのホームページを見ると、「宏光 MINI EV」を含めた中国製モデルについては「残念ながら日本で登録することはできませんが、この輸入することは可能です」とはあり、「中国の自動車を日本に輸入することはとても困難です」ともコメントされている。
ベーシック仕様はエアコンも付いておらず、日本に輸入して販売する(公道走行不可)と約250万円からとなってしまうとのことだ。
■上汽通用五菱 宏光MINI EV
全長×全幅×全高:2917×1493×1621mm
ホイールベース:1940mm
サスペンション:前:マクファーソン・ストラット、後:3リンク・リジッド
ブレーキ:前:ディスク、後:ドラム
最小回転半径:4.2m
駆動方式:後輪駆動
モーター最高出力:20kW
最大トルク:85Nm
バッテリー:リチウムイオン
容量:9.3kWh(上級グレード:13.9kWh)
乗車定員:4名
車重:665kg(上級グレード:705kg)
最高速度:100km/h
一充電走行距離:120km
充電時間;─
価格:2万8800元(約45万円)
エアコン付きの中級グレードで3万2800元(約50万円)
バッテリー容量が13.9kWhの上級グレードで3万8800(約60万円)
コメント
コメントの使い方C=POD期待してたがトヨタさん売る気なし‥高い月額のキントウで、車両売り切りなし