乗用車用の燃料電池はどんな用途にも使える
トヨタはそんな水素社会を構築するための第一歩が燃料電池自動車になると考えているのだった。乗用車に搭載しようとすれば小型化や高性能化、耐久性、安全性、さらに低コスト化まで要求される。
逆に考えると乗用車用の燃料電池を開発することで、どんな用途にも使えるようになります。なにしろディーゼルエンジン代替になるから素晴らしい!
例えば船舶用のディーゼルエンジンは1馬力あたり2万円と言われている。1680万円するトヨタマリンのポーナム28Lには260馬力のディーゼルエンジンが搭載されているけれど、エンジンだけで500万円以上するようだ。
ボルボペンタのD4エンジン、300馬力は709万円。174馬力を出す新型MIRAIのスタックなら350万円の価値がある。
先代MIRAIのスタックも大型トラックやバスに搭載されていたけれど、新型MIRAIのスタックは一段と高性能になったうえ、大幅なコストダウンをしているそうな。
さまざまなモビリティのパワーユニットに使われるようになることでコストダウンが進み、水素の消費量だって増えて行く。消費量が増えたら、いろいろな会社が水素を作るようになる。
カーボンフリー実現にむけ最も有望なのが水素
ここまで読んで、「水素を安く大量に作れるのか?」とか、「燃料電池車で使う超高圧水素にするためエネルギーを使うでしょ」みたいに思うかもしれない。
考えてほしい。現在使っている水素、磁石で砂鉄を探し、木炭に大量の空気を送り込んで高温化し還元させ作っていた弥生時代の「鉄」の如し。鉄を作るため膨大な手間とエネルギー使ったワケです。
当然ながら今と違い鉄は超貴重品だった。やがて鉄鉱石を原料に使い、熱量の多い石炭をエネルギーとし、高炉も大型化することでコストダウン。やがてどこにでもある金属になっていった。
水素だって同じ。現在のフェイズ、もののけ姫に出てくる弥生時代の「たたらば」で作ってる鉄のようなもの。規模も作る方法もホンキにほど遠い。
国家規模で「水素社会にする!」と決めたら、さまざまな手段がある。
九州電力は太陽光発電の能力高すぎて増設に制限を掛けている状態。水素社会にすればそんなこと気にせず思い切り太陽光発電を増やせる。
風力発電だって増やせるだろう。太陽光発電も風力発電も、1kWhあたりの発電コストは廃炉費用を含んだ原子力発電より安くなってます。
超高圧水素も例えば日本近海にある水深8000mで電気分解を行うことで、最初から800気圧の水素になる。それをスキーリフトのようなロープウェイによりタンクを送り込み、充填して地上に持ってくるようなシステムを作ったら、使うエネルギーってリフトを回す電力が最も大きい程度。アイデア次第だと私は考えている。
我が国は2050年のカーボンフリーを宣言した。実現に向け、最も有望なのが水と電気から水素を作り、水素をエネルギーとして使うことだと思う。
もちろん明日が予想できない人に何を言っても理解して貰えないだろう。
それに対するトヨタの意思が、「ガソリン車よりお買い得感のある新型MIRAIの価格」に見えると私は考えます。
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