世界初登場までカウントダウン 自動運転レベル3は何が凄いのか?

 世界中の自動車メーカーが自動運転技術の実現を目指し開発を進めているなか、ホンダは2020年11月に、自動運転レベル3型式指定を国交省から取得したと発表。自動運転はレベル0~5の6段階に分類されていて、レベル3の市販化は世界初となる。

 ホンダは2020年度中に販売を開始すると発表しているから、2021年1月現在では、遅くとも2カ月以内には登場することになる。

 期待感は高まるばかりだが、一般的にレベル3がどの程度自動運転に近づいているのか、どれだけ凄いかわかりにくい。

 自動運転技術の現状と、レベル3、さらにその後の進化について、国沢光宏氏が解説する。

文/国沢光宏
写真/HONDA、TOYOTA、NISSAN、SUBARU、TESLA、ベストカー編集部

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■レベル3の自動運転中はドライバーに責任なし!?

 間もなくレジェンドに「レベル3」の自動運転を搭載したモデルが出てくる。すでに国交省の認可も取得しており、ホンダも「2020年度中」と言ってます。興味深いことに多くの人は「レベル3の凄さ!」を認識していないと思う。

 例えばレジェンドでレベル3の自動運転モードに入っているときは、事故が起きてもドライバーに責任なし!

 というのも自動運転中は「運転」という行為をクルマが全て担当するため、スマホ見ながらでもTV見ながらでも「緊急事態に備え運転を代われる」状況で運転席に座っていればOK。

 ちなみに飲酒行為などは、「運転を代われる」と言えない。運転代わった時点で酒気帯び運転になるからアウトです。助手席に移動するのもダメ。

 参考までに書いておくと、レベル3モードでの走行中の事故は、ドライバーの過失を問われない。なぜか? 「自動運転はドライバーより安全性を確保できるから」という理由による。

 したがって相手がいる時は事故の責任を動画で判定。回避操作によって避けられない事故であれば、100%相手側に責任あるということになります。

 動画の確認でレベル3側に責任あると認定されたなら、刑事罰も賠償責任も自動車メーカーが背負う。実際は賠償についちゃ保険会社。

 レジェンド「トラフィック・ジャム・パイロット」(日本語だと混雑時の運転手)は渋滞している時にしか稼働しないし、車速も50km/h以下に限られる(セット時は30km/h以下)。よって事故は考えにくい?

こちらが国交省の定めた自動運転のレベル分けの定義。レベル3以上がいわゆる自動運転に該当する。レベル2は自動運転の機能がありますという段階。この違いは何だろうか?

■レベル2との違いはどこにある?

 ここまで読んで「レヴォーグのアイサイトXやスカイラインのプロパイロット2とどこが違うのか?」と思うかもしれない。

 レヴォーグのアイサイトX、渋滞時はハンズフリー(手放し走行)ができるし、スカイラインのプロパイロット2も高速道路で先行車いない時にハンズフリー可能。道交法上もハンズフリーOKとなってます。

 確かに似た機能なのだけれど、アイサイトXもプロパイロット2も「レベル2」の自動運転であり、自動運転時の主体はドライバーにある。

 したがって常時車載カメラでドライバーの目線を追いかけており、短い時間であってもよそ見したり居眠りしたら、警告出る。そのまんまよそ見してると自動運転はカットされてしまう。

 レジェンドのレベル3だと、よそ見してもいい。また、手の位置もレベル2では「ただちに操作できる」ということになっているため、手はヒザの上に置くか「ハンドパワー」のようにハンドルから少し離れた位置をキープしておかなくちゃならず。足もペダルの近辺で待機してなくちゃダメ。シートの上であぐらかくのは道交法違反だ。

 レベル3ならスマホ持っていてもマンガ読んでいてもゲームやっててもいい。足もあぐらくんでいい。「ホントかよ!」と思うだろうけれど、それがレベル3なのだった。

自動運転レベル2のアイサイトXでの自動運転の模様。ハンズオフ運転も可能だが、運転中の事故責任は運転者が負う。レベル3はついに車側が事故の責任を負うことになる

■レクサスは年内にレベル3を登場させる

 ここまで読んで「レベル3でも運転を代われないとダメなのでは?」。そのとおりなのだが、レベル2より時間的な余裕ある。スマホを手放したり、足の位置を戻すくらい可能。

 本来ならレジェンドよりレクサスLSのほうが先にレベル3を出すんじゃないかと言われていたけれど、仕上げ段階で何らかの懸案事項出てきたのだろう。

 もちろん諦めてはおらず、年内にはレクサスLSもレベル3の自動運転を取り入れてくると思う。レジェンドと同じ渋滞時の低い速度域+α(高速巡航)などあるかもしれません。

 そうそう。テスラも自動運転できると思われているようだけれど、実際は「レベル2の拡大解釈」にすぎない。

 今まで起きたテスラの激突死亡事故、いずれも「ドライバーが悪い」と責任を逃れられてしまう。居眠り&よそ見しててもハンドルとアクセル/ブレーキ操作を続けるため事故を起こす。ドライバーは自己責任ながら、突っ込まれたら酷い。

レクサスLSのレベル3自動運転車。現在実用化に向け公道走行試験中。自動運転の評価は公道での評価が必須であり、運が良ければちょっと先の未来の技術を目にすることができるかもしれない

■現状では50km/h以下でのみ稼働も確実に進化する

 ということで間もなく発売されるレジェンドの「トラフィック・ジャム・パイロット」を紹介しておく。

 稼働するのは、「高精度地図及び全球測位衛星システム」の情報が入手できる車速50km/h以下の渋滞時です。渋滞で30km/h以下になったらシステムを稼働させられる。ボタン押すことで「キミに運転は任せた!」状態へ。

 速度の上下はすべて追従する。1度停止したって再スタートしてくれる。ハンドルも切ってくれるし、前に入り込んできたクルマにも対応可能。歩行者だって検知して自動ブレーキ掛けてくれるのだった。そんな状況が50km/hまで続く。

 技術の進化に合わせ、速度域が徐々に上がって行くだろう。100km/hになったら素晴らしい!

新型レヴォーグに搭載のアイサイトXも高速道路の渋滞時などに対応した自動運転機能を持つ。レベル2でも十分スゴイが、まもなくレベル3の自動運転可能なクルマが登場する!
自動運転レベル3ステッカー

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