かつてのトヨタの大看板 若者向けの代表車 今は忘れ去られつつある…セリカの偉大な軌跡

セリカの上級モデルをXXからスープラに車名統一

2代目セリカXX:1981~1986年 全長4660×全幅1685×全高1315mm、価格/232万3000円(2800GT)、初代ソアラとコンポーネントを共用
2代目セリカXX:1981~1986年 全長4660×全幅1685×全高1315mm、価格/232万3000円(2800GT)、初代ソアラとコンポーネントを共用

 グランドツアラーとしての資質を高めた2代目のセリカXXは、スタリオンや身内のソアラまでをライバルにするほど、知名度を高めた。

 そして1986年2月にベールを脱いだ。3代目では車名を海外向けと同じ「スープラ」を名乗っている。

 駆動方式はセリカとは違い、後輪駆動を守り、操る楽しさ、気持ちいい走りを前面に押し出した。

 エクステリアは人気の高かったA60系セリカXXの流れを汲むデザインだ。センターピラーをロールバー風の処理としたことにより、脱着式のディタッチャブルトップ採用のエアロトップの追加も実現した。

 インテリアは2+2レイアウトと割り切り、ハイパフォーマンス・スペシャルティカーとしての立ち位置を明快に打ち出している。

初代スープラ:1986~1993年 全長4620×全幅1690×全高1310mm、価格/335万5000円(3.0GTターボ)、グループA、ラリーで活躍
初代スープラ:1986~1993年 全長4620×全幅1690×全高1310mm、価格/335万5000円(3.0GTターボ)、グループA、ラリーで活躍

 だが、メカニズムの多くは2代目のZ20系ソアラから譲り受け、走りの実力を飛躍的に高めた。サスペンションは4輪ともダブルウイッシュボーンへと進化している。

 電子制御サスペンション(TEMS)が用意され、時代に先駆けて電子制御スキッドコントロールや4輪ESCも設定する。

 エンジンは、インタークーラー付きターボで武装した3Lの7M-GTEU型直列6気筒DOHCバルブと2Lの1G-GTEU型DOHCツインターボが主役だ。

 1990年夏にはパワーユニットを新世代の1JZ-GTE型2.5L、直列6気筒DOHCツインターボに換装し、魅力を広げた。

WRCを席巻した5代目と6代目

5代目セリカ:1989~1993年 全長4420×全幅1690×全高1305mm、価格/188万円(GT-R)、エディ・マーフィがスゴスバセリカとCMでアピール
5代目セリカ:1989~1993年 全長4420×全幅1690×全高1305mm、価格/188万円(GT-R)、エディ・マーフィがスゴスバセリカとCMでアピール

 年号が平成に変わった1989年の9月、5代目のST180系セリカが登場する。

 メカニズムは先代の進化版だが、世界初のアクティブコントロールサスペンションと速度感応型電子制御4輪操舵システムを採用するなど、新鮮なメカニズムを積極的に盛り込んだ。

 GT-FOURはさらにパワーアップされ、WRCで群を抜く速さと強さを見せつけた。

3代目セリカGT-FOUR:1994~1999年 全長4420×全幅1750×全高1305mm、価格/317万1000円(標準)、丸4灯の精悍なフロントマスクで大人気 
3代目セリカGT-FOUR:1994~1999年 全長4420×全幅1750×全高1305mm、価格/317万1000円(標準)、丸4灯の精悍なフロントマスクで大人気 

 これに続く第6世代のST200系セリカもサスペンションやエンジンに新機構を採用し、注目を集めている。1980年代後半からの10年間、セリカはWCRで大暴れするとともに、洗練された走りが多くのファンを魅了した。

  1993年5月、スープラは第2世代にバトンタッチする。運動性能を高めるために3ナンバーのワイドボディを採用し、前後の重量配分も最適化した。また、エアロダイナミクスも徹底的に磨いている。

 パワーユニットは1JZ-GE1型を3Lに拡大した2JZ-GE2系の直列6気筒DOHCと2ウェイツインターボだ。トランスミッションはゲトラグ社と共同開発した6速MTと電子制御4速ATを設定する。

 ドイツのニュルブルクリンクなどで積極的に走り込みを行ったから、世界トップレベルのハンドリング性能を身につけた。

 だが、1990年代後半にはスポーツモデルの市場は冷え切り、排ガス対策も難しくなった。頼りにしていた北米でもクーペブームは去り、販売は苦戦するようになる。

次ページは : 斬新なデザインの7代目は販売面で苦戦して終幕

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