■スズキ スペーシア VSダイハツ タント
●2020年販売台数:スズキ スペーシア 13万9851台 > ダイハツ タント 12万9680台
どちらも背を高くして居住空間を最大限に確保したスーパーハイトワゴンだ。
スペーシアは2代目になり、洗練されたデザインに生まれ変わった。SUVテイストの「ギア」の設定もタントにはない魅力だ。
先代よりキャビンは広く、後席のスライド量を増やしたから荷物もより積める。
このジャンルを開拓したタントは4代目になり、広いキャビンに加え、快適性と安全性を大きく向上させた。
大開口の「ミラクルオープンドア」もウェルカムオープン機能を加えるなど、利便性を高めている。子育てママ世代には使い勝手のいいクルマだ。ただし、先代と変わり映えしないルックスだから目立たない。
スペーシアはエンジンをすべてマイルドハイブリッドとした。
どちらかというと高回転を好むエンジンだが、ターボならパンチのある加速を楽しめる。また、再始動も滑らかだ。
タントのエンジンは高回転より粘り強さを売りにする。が、魅力は心地よい走りだ。
プラットフォームを一新し、スタビライザーを追加して落ち着きのあるハンドリングと乗り心地を手に入れた。
この対決も実力伯仲だが、使い勝手のよさと運転支援の先進安全装備で「タントが半歩だけリード」と判定したい。
●ダイハツ タントの勝ち!
■スズキ ワゴンR VS ダイハツ ムーヴ
●2020年販売台数:スズキ ワゴンR 6万6061台 < ダイハツ ムーヴ 10万4133台 ※ムーヴキャンバス含む台数
ハイトワゴンブームの火付け役となったワゴンRは6代目だ。背はちょうどいい高さだから高速走行も余裕でこなし、キャビンも満足できる広さを持つ。
対するムーヴは初代モデルからのライバル。現行ムーヴは7年目に突入したが、今も一級のパッケージングを誇っている。リアゲートを跳ね上げ式に改め違和感なく使えるようになった。
ただし、ワゴンRはヘッドアップディスプレイを用意しているし、小物の収納も充実している。
また、後席に座る人への配慮が行き届いていることに加え、シートアレンジも多彩。安全装備もちょっと差をつけるなど、スズキらしい気配りはムーヴの一歩上。
ワゴンRはエンジンの主力をマイルドハイブリッドとした。滑らかに加速し、ドライバビリティも優れている。実用燃費も良好だ。
ムーヴはパワー/エコモードを選べる「Dアシスト」を採用し、パワーモードでは高回転まで軽やかに回る。ただし、洗練度はワゴンRにちょっと及ばない。
操縦安定性は両車とも互角の実力だ。軽やかなハンドリングを身につけ、安心感がある。
先進安全装備を含め、基本設計が新しいワゴンRのほうがトータル性能は一歩上をいく。ムーヴは旬を過ぎた印象だ。
●スズキ ワゴンRの勝ち!
■スズキ アルト VS ダイハツ ミライース
●2020年販売台数:スズキ アルト 3万8360台 < ダイハツ ミライース 6万2879台 ※アルト+アルトワークスの台数
アルトは一世を風靡した初代モデルへと原点回帰し、ベーシックミニ本来の姿を取り戻した。
だが、経済性だけに特化したのではない。デザインや質感は、安っぽさを感じさせないし、走りの実力もそれなりに高いレベルにある。
最大のライバルはミライースだ。燃費テクノロジーを駆使したベーシックミニの2代目になる。インテリアはシンプルだが、機能的に設計され、貧相な感じはしない。
どちらも後席は不満のない広さを確保した。運転のしやすさも特筆できるところで、視界がよくて取り回し性も優れている。
また両車ともベーシックミニの基本を押さえており、コストパフォーマンスの高さも群を抜く。しかも販売価格を低く抑えながら走りの質感を高めている。
動力性能はそれなりだが、街中を中心とした走りでは扱いやすい。特にミライースはフレキシブルで、実用燃費も一級だ。しかも両車とも軽量だから軽やかな走りを見せる。
フットワークで一歩リードするのはアルトだ。ターボを搭載するワークスの仲間だからスポーティな味わいがある。
ただしこれから乗るなら、設計の新しいミライースだ。アルトを研究して登場したから総合性能は一歩上を行く。
●ダイハツ ミライースの勝ち!
コメント
コメントの使い方