エスティマ ヴェルファイア……営業マンが残念がる生産終了車とは

エスティマ、ヴェルファイア……営業マンが残念がる生産終了車とは

 ここ数年、国内で売られている量産モデルの生産終了車が多数に及んでいる。トヨタ、ホンダ、日産に多く見られるが、このほかマツダ、ダイハツ、スズキなども検討中の車種がいくつか存在することが伺える。

 なかには営業マンが「これはモデルチェンジすれば売れるようになるのに残念」と指摘する車種も少なくない。

 もしかしたらシエンタ、RAV4のようにニーズが再び生じて復活する車種が出現する可能性もあるのではないか?

 そこで、遠藤徹氏が首都圏の主要ディーラーマンに話を聞きながら、生産終了車が再び発売される可能性について調べてみた。

文/遠藤徹
写真/トヨタ 日産 ホンダ マツダ

【画像ギャラリー】モデルチェンジしたら売れるかも? 近々廃止予定の車種をチェックする


アイシス、エスティマ、ヴェルファイア復活の声

近い将来の生産終了が噂されるヴェルファイア。2021年4月の一部改良により、ZゴールデンアイズII以外のグレードが廃止された

 トヨタは2025年までに2017年時点で約60車種あったモデルを30車種の半分に削減することを公表し、以降廃止モデルを着実に増やしている。

 これまで廃止された主な車種はプレミオ、アリオン、マークX、プリウスα、タンク、ポルテ、スペイド、アイシス、エスティマなどである。

 2021年から2022年にかけてはエスクァイア、ヴェルファイア、クラウンセダン、カローラセダン(5ナンバー車)、カローラフィールダーなどが予想される。

 アルファード/ヴェルファイアは2021年4月28日の一部改良で、ヴェルファイアが従来のカタログモデルを廃止して特別仕様車の「ZゴールデンアイズII」のみとなった。その後の受注、販売推移を見ると、アルファードの売れ行きが絶好調なのに対してヴェルファイアは極端な激減ぶりで明暗を分けている。

 カタログもこれまで別々に分けていたのをひとつに統合している。2022年後半にはフルモデルチェンジし「新型アルファード」に1本化する方針だが、首都圏にあるトヨペット店筋によると「次期型にバトンタッチするのを待たずに、今年中にヴェルファイアの生産を中止するのではないか」と予想している。

2019年に生産を終了し、約30年の歴史に幕を閉じたエスティマ。販売再開を望む声も根強い
2017年12月に販売終了した7人乗りミニバンのアイシス

 「人気の高かったアイシスやエスティマを復活してほしいという声をよく聞きます。特にエスティマは、流麗なスタイルだったので惜しむ声が多いですね」(首都圏トヨタ販売店)。

 「全車種統合により、全店でアルファードが販売できるようになりましたので、どうしてもアルファードに集中してしまいます。かつてはヴェルファイアのほうが人気でしたが、今ではほんのたまにですがヴヴェルファイアを選ばれる方がいらっしゃいます。ただこれだけ集中してしまいますと納期が遅れることが多くなりますので、ヴェルファイアを廃止しないでいただきたいですね」(首都圏トヨタ販売店)

ノアよりヴォクシーのほうが売れているのにヴォクシーを廃止するのは?

ノアは2022年初めにフルモデルチェンジされるとの情報あり
販売チャネル統合前は旧ネッツ系店舗で販売されていたヴォクシー。ノアやエスクァイアよりも多く売れており、モデル廃止に踏み込むにはもったいない気もする

 現在、ノア/ヴォクシー/エスクァイアは2つの有力情報が流れている。ひとつは「2022年初めのフルモデルチェンジの時に新型ノアに1本化し、ヴォクシー/エスクァイアを廃止する」という情報がある。

 もうひとつは「ヴォクシーとノアの両モデルを継続し、エスクァイアだけを廃止する。ヴォクシーを上級仕立ての3ナンバーサイズ専用とし、ノアは標準の5ナンバーサイズでコンセプト分けをする」というラインナップの再編である。

 後者の手法にはそれなりの理由がある。2020年4月の一部改良でノアは従来のラインナップをほぼ継続しているのに対して、ヴォクシーは3ナンバーの特別仕様車のみに統合、エスクァイアも売れ筋の上級グレードに絞った再編をした。

 これは何を意味するのか?「次のフルモデルチェンジ時には新型ノアに1本化しヴォクシー/エスクァイアを廃止する布石」と販売店には受け止められた。

 ところがその後から最近までの販売推移を見ると、トヨタの目論見通りになっていないのである。ヴォクシーは引き続き3姉妹車のなかでは最も売れ行きが良く、ノアは若干盛り返し、エスクァイアは大幅なマイナスとなっている。

 こうしたことから、トヨタでは方針を変えて「次期型ではヴォクシー/ノアを残し、ヴォクシーを3ナンバーサイズの上級モデル、ノアを5ナンバーの標準タイプにコンセプト分けをして世代交代する」という案に切り替えるよう検討しているという。

 ヴォクシーのほうが5年後のリセールバリューがノアよりも10万円以上も高くなっているので、ノアへの1本化は難しいと判断しているようである。

 「正直、この統合案を聞いた時はタマげました。全店統合になってからもヴォクシーのほうが引き合いが多く、20代~40代などファミリー層は見た目が若々しいヴォクシーのほうが人気があります。エスクァイアの廃止はしかたありませんが、ちょっとノアだけでは販売が厳しい。セレナe-POWERハイウェイスターやステップワゴンスパーダに追いつかれてしまうかもしれません」(首都圏トヨタ販売店)

旧トヨペット店で販売された5ナンバーセダンのプレミオ
プレミオの姉妹車アリオン。2016年のマイナーチェンジでスポーティかつ高級感のあるデザインに変わった

 セダンのプレミオ/アリオン、マークXはかつてのセダンの主軸モデルだったが、マーケットの縮小で継続が難しくなり、2020年いっぱいで生産中止となった。プレミオ/アリオンは1.5リッターモデルを中心に法人需要が僅かに残っていたが、こちらは当面はカローラセダンで引き継ぐことになった。

 カローラは2019年9月のフルモデルチェンジでセダンとツーリング(ステーションワゴン)が3ナンバーサイズに拡大した。

 この時点で従来モデルの5ナンバーサイズのアクシオ(セダン)&フィールダー(ステーションワゴン)1.5リッターモデルを継続生産とし、こちらを法人需要でカバーした。

 1年間限りの継続生産としていたが、現在でも細々と続けられている。3ナンバーサイズの現行カローラセダンではカバー仕切れないためと思われる。

 「まだまだ5ナンバーの需要は高齢の方や法人の需要はあります。あと数年は継続生産してほしかったですね。それよりもセダンのプレミオ/アリオンの生産終了は、なぜという気持ちがいっぱいです。不動屋さんがお客さんを賃貸物件などに案内したり、中小企業のちょっと豪華な営業車として、これからも需要はあると思うんですが……。サイズも大きくもなく、ちょうどいいサイズだったんですが本当に残念です」(東京地区トヨタ販売店)

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