ノアよりヴォクシーのほうが売れているのにヴォクシーを廃止するのは?
現在、ノア/ヴォクシー/エスクァイアは2つの有力情報が流れている。ひとつは「2022年初めのフルモデルチェンジの時に新型ノアに1本化し、ヴォクシー/エスクァイアを廃止する」という情報がある。
もうひとつは「ヴォクシーとノアの両モデルを継続し、エスクァイアだけを廃止する。ヴォクシーを上級仕立ての3ナンバーサイズ専用とし、ノアは標準の5ナンバーサイズでコンセプト分けをする」というラインナップの再編である。
後者の手法にはそれなりの理由がある。2020年4月の一部改良でノアは従来のラインナップをほぼ継続しているのに対して、ヴォクシーは3ナンバーの特別仕様車のみに統合、エスクァイアも売れ筋の上級グレードに絞った再編をした。
これは何を意味するのか?「次のフルモデルチェンジ時には新型ノアに1本化しヴォクシー/エスクァイアを廃止する布石」と販売店には受け止められた。
ところがその後から最近までの販売推移を見ると、トヨタの目論見通りになっていないのである。ヴォクシーは引き続き3姉妹車のなかでは最も売れ行きが良く、ノアは若干盛り返し、エスクァイアは大幅なマイナスとなっている。
こうしたことから、トヨタでは方針を変えて「次期型ではヴォクシー/ノアを残し、ヴォクシーを3ナンバーサイズの上級モデル、ノアを5ナンバーの標準タイプにコンセプト分けをして世代交代する」という案に切り替えるよう検討しているという。
ヴォクシーのほうが5年後のリセールバリューがノアよりも10万円以上も高くなっているので、ノアへの1本化は難しいと判断しているようである。
「正直、この統合案を聞いた時はタマげました。全店統合になってからもヴォクシーのほうが引き合いが多く、20代~40代などファミリー層は見た目が若々しいヴォクシーのほうが人気があります。エスクァイアの廃止はしかたありませんが、ちょっとノアだけでは販売が厳しい。セレナe-POWERハイウェイスターやステップワゴンスパーダに追いつかれてしまうかもしれません」(首都圏トヨタ販売店)
セダンのプレミオ/アリオン、マークXはかつてのセダンの主軸モデルだったが、マーケットの縮小で継続が難しくなり、2020年いっぱいで生産中止となった。プレミオ/アリオンは1.5リッターモデルを中心に法人需要が僅かに残っていたが、こちらは当面はカローラセダンで引き継ぐことになった。
カローラは2019年9月のフルモデルチェンジでセダンとツーリング(ステーションワゴン)が3ナンバーサイズに拡大した。
この時点で従来モデルの5ナンバーサイズのアクシオ(セダン)&フィールダー(ステーションワゴン)1.5リッターモデルを継続生産とし、こちらを法人需要でカバーした。
1年間限りの継続生産としていたが、現在でも細々と続けられている。3ナンバーサイズの現行カローラセダンではカバー仕切れないためと思われる。
「まだまだ5ナンバーの需要は高齢の方や法人の需要はあります。あと数年は継続生産してほしかったですね。それよりもセダンのプレミオ/アリオンの生産終了は、なぜという気持ちがいっぱいです。不動屋さんがお客さんを賃貸物件などに案内したり、中小企業のちょっと豪華な営業車として、これからも需要はあると思うんですが……。サイズも大きくもなく、ちょうどいいサイズだったんですが本当に残念です」(東京地区トヨタ販売店)
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