■トヨタの全店販売解禁がハリアーの人気に貢献した
この破竹の快進撃には、トヨタ系列店のセールスパワーの強力さも貢献している。
2020年5月以前までハリアーはトヨペット店の専売モデルだったが、現行の新型車からはトヨタ店、カローラ店、ネッツ店も含めた全系列店扱いになり、セールスパワーは約4倍に増強された。
トヨペット店は歴代のハリアー、マークX(II)、トヨタ店はクラウン、エスティマ、アイシス、カローラ店はエスティマ、ノア、ネッツ店はRAV4、ヴォクシーなどからの代替えが目立っている。クロスオーバーSUVは最近ブームになっており、こうしたマーケットニーズの高まりも追い風になっている。
現行ハリアーのパワーユニットは2リッターガソリンNA、2.5リッターハイブリッドであり、ライバル他車の2リッター中心のラインアップに比べると格上であり、メインの2.5リッターハイブリッド車は直接の競合車が少ないのも強みとなっている。
同クラスのトヨタ車ではほぼ同じ価格帯にRAV4が存在するが、RAV4がラフロード走行を意識した4WD車中心の売れ方なのに対して、ハリアーはシティ走行向きで2WD車がメインで売れており、棲み分けが出来ているのも強みとなっている。
■リセールバリューの高さでもライバルSUVを圧倒
現行ハリアーは代替えする際のリセールバリューも飛び抜けて強力である。
残価設定クレジットで購入する場合、3年後の残価は60%、5年後で40%であり、ライバル他車よりも5~10ポイントも高値がついている。特に下取り額が大幅に落ちる傾向にある5年後が高く手放せる状況にある。
一般的には人気の高いモデルだと新車購入時の値引き幅は小さいが、ハリアーは比較的好条件で買えるケースが多い。車両本体から定価の6%、オプション&付属品から10%程度が、ごく標準的でトータルだと50万円程度のオプション&付属品装着であれば35万円程度の値引き提示額が中心となっている。
まだ多くの地域でトヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店の4系列店が存在し、お互いに競争しながら販売活動をしているので、値引き競争によって好条件が多く発生するという側面もある。
おおよその販売構成比は、パワーユニットだと60%がハイブリッド、40%がガソリンNA、駆動別だと80%が2WD、20%が4WDで占められる。
グレード別では最上級のZが50%、中間のGが35%、ベーシックのSが15%と、装備が充実した上級グレードのほうが販売構成比が高い傾向がある。
ボディカラーは半分以上が有料のホワイトパールクリスタルシャインで最も多く、次いでシュルバー系のスティールブロンドメタリック、ブラックでこれら3色合わせて90%程度を占めている。
首都圏にある最も販売台数の多いトヨペット店で2.5リッターハイブリッドZFFクリスタルシャイン(車両本体価格452万円)にメーカーオプション&付属品のホワイトパールクリスタルシャイン、パノラミックビューモニター、盗難防止付きナンバーフレーム、前後ドライブレコーダー、フロアマット、サイドバイザー、レインクリアリングミラー、グラスシーラント(ディスプレイオーディオ、ETC2.0は標準装備)などを装備して弾いて貰うと法定、法定外費用を含めて504万円強と出た。値引きは総額から35万円程度を一応の限度額としている。
コメント
コメントの使い方