■03 長引くコロナ禍で“ローン慣れ”に用心すべし
新型コロナウイルス感染拡大以降、販売現場ではローンを利用した新車購入が目立つ。そんななか、販売現場ではお客の“ローン慣れ”を警戒する声を聞くようになった。
まずは、フルローンが目立ってきたという。支払総額で600万円になるのも珍しくないハリアーの最上級でも、フルローンを組んで購入するケースが多く、月々8万円近くの支払いでも平気でローンを組んでいくとのこと。
さらに残債のある下取り車を下取り査定額で残債整理しようとしても整理しきれずに、そのぶんを乗り換える新車のために新たに組むローンの元金に上乗せして、再ローンを組む“借り換え”を選ぶお客も目立って増えている。巧みにローンを操っている感じだ。
「例えば新車購入のために、250万円を元金にローンを組んだところ、下取り車の残債のうち50万円が整理できず残ったとします。
そこでこの50万円を新車のための250万円に上乗せし、300万円を元金とするようなリスキーな組まれ方をするお客様が増えました」
とは、現場のセールスマンの話。うむむ……。
■04 免許自主返納が多く車検入庫が激減。只今飛び込み募集中!
若者世代の“クルマ離れ”というのはよく聞く話。マイカーを持たないどころか、運転免許証すら持っていない若者も多い。
そのような社会状況のなかで、販売現場で深刻な問題となっているのが、真逆世代の運転免許自主返納による“卒車”の増加である。
「若い人がなかなかクルマを購入していただけないなか、高齢のお客様が運転免許証を自主返納して、マイカーを持たなくなるケースが目立ってきました。つまり、新規のお客様獲得より、管理しているお客様が“卒車”するスピードが圧倒的に早いのです」とは現場のセールスマン。
“卒車”が目立ってきたことで、車検や法定点検などの入庫台数の減少傾向にも歯止めが利かなくなっているという。新たに買う高齢層が減っているので、新車へ乗り換えてもらう販売促進活動にも影響大。
事態は深刻で、「どのメーカー車でも車検できます」などの、のぼり旗を掲げるディーラーを見かけたこともある。
最近は運転免許証の自主返納は一時期より減少傾向にあるそうだが、自動車保有人口が高齢化傾向にあり、現状で稼ぎ頭のメンテナンス収益すら脅かされており、販売店はさらに追い込まれている。
■05 続く“働き方改革”!? セールスマンの休日増え続けている
かつて、長時間拘束で、しかも週に1日休むのがやっとという“ブラック企業”状態だった新車販売の世界も、“働き方改革”が進んでいる。
今は新型コロナ感染拡大中ということで、時短営業の実施もあるが、2019年頃のコロナ前から19時頃に閉店する販売店が大半となった。
日本の販売店は完全定休日が設けられているが、世界的には珍しいこと。筆者が見てきた範囲では、販売店は年中無休が世界標準。
ただ日本ではこの業界も人手不足が深刻で、交代で週に2日休むのが難しく、お店の定休日を設けるようになった、というワケ。
その定休日を含めて週に2日は休めるようになっているのが現状。さらに有給休暇の消化もすすめられており、決算月の3月に半ば無理やり休みを取らされたという話も聞く。
とにかく休んでいることが多いので、あらかじめ「いつなら店にいるの?」と聞いてから出かけるお客も多いようだ。
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