■06 アルファード超絶人気。ワケは“転がし”目的のお客が目立つから
2020年事業年度締め(2020年4月から2021年3月)において、年間で10万台強を販売したトヨタアルファード。トヨタの販売店で話を聞いていると、すでに“財テク”がてらに購入する人も多いようである。
コロナ禍前には“アルファード転がし”というものが話題となった。
決まったボディカラーやグレード、オプションを付けたアルファードを半年くらい乗ったら転売を繰り返すことを指す。詳細は不明だが、転売するたびにどんどん儲かっていくそうである。
また、「下取り査定したら、新車価格より高い査定額になったケースもありますよ」とはセールスマンの話。
今はコロナ禍で海外への中古車輸出が滞っているので、そこまでバブルな話はないが、コロナ禍で社会不安が増大するなか、少しでも資産価値の高いものを買いたいという、消費者ニーズがアルファード人気をさらに高めているようだ。売れている理由の一端だ。
トヨタの販売店ならばどこでもアルファードは購入できるが、専売車として長い間扱ってきたトヨペット店のセールスマンのほうがノウハウを多く持つので、購入を検討しているなら……おすすめである。
■07 台数だけ売るのが優秀なセールスマンではない
かつて台数を売りまくる“トップセールスマン”は英雄視されていた。しかし、今は台数を売りまくるだけが優秀セールスマンではない。
例えば、軽自動車を10台売ったセールスマンと、コンパクトカー2台、フルサイズミニバン2台、ミドルサイズSUV1台を売ったセールスマンがいたとしたら、後者の評価が圧倒的に高い。
そのワケは、軽自動車10台売るよりこの5台は収益が圧倒的に多いから。つまり、台数だけでなく会社にもたらした利益も重視されているのである。もちろん値引きを抑えればさらに評価は高くなっていく。
また現在では「ひとりの優秀者より、みんなで均等に一定以上販売する」という考え方も広まっている。トップセールスマンはたくさん売るので、同じ店のスタッフが納車準備などのバックアップに入ると、店全体の営業活動がおろそかとなり、店のトータルで見ると効率的ではない。
そのような考え方が定着するなかで、トップセールスマンが“洗車係”に左遷人事されたといった話も! これ、事実。
■08 残価設定ローンは完済するな! が販売現場の合言葉
メーカーを問わず販売店のセールスマンの共通認識は、「残価設定ローンは完済しないほうがいい」ということ。
例えばトヨタでは、標準残価率の前後5%の間といった感じで残価率を任意に選択することができる。
しかも、設定される残価率は実際の相場よりやや低い“安全マージン”を持たせたものとなっている。
例えば、支払い最終回分として据え置いた残価相当額が180万円とする。
しかし、支払い途中(完済に近いタイミング)に下取り査定で残債整理しようとした時、査定額が220万円となり、残債整理しても“お釣り”があれば、新車購入資金に回すことができるのだ。
だから、“できる”セールスマンほどタイミングを読んで、支払い途中での新車への乗り換えをすすめてくる。
このような傾向があるためなのか、今は残価設定ローンの利用が増えるなか、よりフレキシブルに動けるように、リセールバリューを重視してクルマ選びするお客が目立ってきているということも、販売現場でよく耳にする話だ。
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